本記事では、熊がなぜ人里へ降りてくるのかを解説し、出没する時期や特徴をおさえ、遭遇してしまった時にどう対処すべきかまで解説します。
知識を事前に身につけておくことで、熊との遭遇率を減らしたり、遭遇時にも落ち着いて対処できたりと危険を回避できるようになるため、一つひとつ見ていきましょう。
熊はなぜ人里に降りてくる?
熊が人里に降りてくる理由はさまざまですが、主に以下の3つの理由が考えられます。
- 食糧不足による影響
- 気候変動の影響
- 生息地の縮小と人間活動
食糧不足による影響
熊が人里に降りてくる理由の一つに、山の食糧不足があげられます。
ヒグマは、春先から初夏までは、フキノトウやミズバショウなど柔らかい草本類を食べて過ごします。しかし、8〜9月頃になると草本類は花をつけ硬くなり、栄養価も下がることからヒグマにとって良い餌とはいえません。
山に餌が無くなった結果、人里に降りてきて栄養価のある農作物に手を出してしまう、という背景があります。
また、本州に生息するツキノワグマは、ブナやミズナラといった植物を主食としており、山の植物が不作の場合は、人里へ降りてくることも多々あります。
気候変動の影響
温暖化により、気温が上昇することで、熊が冬眠に入る時期が遅れる、冬眠から覚める時期が早まるなど、熊の活動期間が長くなっているというのも理由の一つです。
また、冬眠の時期は餌の量にも左右される可能性があります。秋ごろになると、熊は冬眠のために多くの食べ物を求めて活動します。十分な量の食べ物があれば冬眠開始時期が早まり、足りなければ遅くなると言われており、先述のように足りない餌を求めて人里へ降りてきます。
生息地の縮小と人間活動
都市開発が進み、人間の生活圏が拡大するにつれれ、熊の生息地である森林は減少しています。また、森林が減少することで先述した食料も減り、人里にある食べ物を求めて降りて来ます。
熊が人里に出没する時期とその特徴
先述した通り、山の中にある餌が少なくなる8〜9月頃に熊が人里に降りてくることが多いです。
この時期には畑にビートやトウモロコシ、ナシやプラムなどがなっており、甘いものが好きなヒグマにとっては人里の方が魅力的な餌で溢れていると感じます。
さらに、ヒグマは1箇所で簡単に手に入る農作物の場所を知ってしまうと、その場所に強く執着する傾向があり、同じ畑で被害が出続けることも少なくありません。
熊に出会ってしまった場合の対応方法
熊に出会ってしまった場合は熊の様子を見ながらゆっくりと後ずさりし、距離を取ります。絶対に背中を向けて逃げたり、死んだふりでやり過ごそうとしてはいけません。
また、至近距離でばったりと出会ってしまい、熊が興奮状態にある場合は熊撃退スプレーが有効な場合もあります。
その他の対処法や、やってはいけないことは以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ一度ご覧ください。
地域で取り組む熊対策の事例
区画整備を行っており、人里と熊が暮らす地域を分ける取り組みがされています。例えば、北海道の札幌市では人里側に電気柵を設置し、あわせて草刈りを行うことで、熊が草を辿って人里に来ることを未然に防ぐ試みがされています。
このように、近年では市区町村が主体となり、熊が人里へ降りてこないよう対策がされている地域も増えてきました。
まとめ
熊が人里に降りてくる主な理由は食糧不足、気候変動、生息地の縮小などが挙げられます。
特に8〜9月は山の中の餌が少なくなり、人里では多くの農作物が収穫の時期を迎えるため出没しやすい時期です。
万が一熊に出会ってしまった時は、ゆっくりと熊を見ながら距離をおくことを第一に考えましょう。
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