本記事では、狩猟で使う道具について紹介します。狩猟の道具は、行う狩猟の種類により異なり、大きく以下の3つに分かれます。
- 銃猟
- わな猟
- あみ猟
今回は特に人気のある銃猟、わな猟を中心に狩猟の道具を紹介します。必須のアイテムから、あると便利な補助アイテムまで解説しますので、ぜひ狩猟前の参考にしてください。
銃猟には猟銃が必要
銃猟を行うには猟銃が必要です。日本の狩猟で使える猟銃は以下の3種類です。
- ショットガン(散弾銃)
- ライフル銃
- エアライフル(空気銃)
ショットガン(散弾銃)
銃猟の中で最もスタンダードな銃がショットガンです。狩猟界隈ではよく散弾銃と呼ばれます。
弾をばら撒く散弾から、1発だけの弾を打ち出すスラッグ弾など弾の種類も数種類あります。さらに、ハーフライフルと呼ばれる散弾銃では、ライフルのように中〜遠距離から狙撃も可能です。
ライフル
ライフルは、主に中〜遠距離から射撃を行うための銃です。弾の種類が豊富で、大きさにより威力や速度が異なる特徴がありますが、原則そのライフル銃に適合する弾(実包)しか使用できません。
日本では散弾銃を取得し、10年連続経過しなければライフル銃を所持できないためご注意ください。
エアライフル(空気銃)
空気銃といっても、おもちゃのエアガンではありません。殺傷能力があり、許可が必要な銃です。
ペレットと呼ばれる専用の弾を使用し、空気圧で発射します。主に鳥猟で使われ、発砲音が小さいことや弾の危険性が他の銃に比べ低いことから威圧感が少なく、都会でも多くのハンターが使用する銃です。
射撃補助道具
ここでは、射撃の補助具を紹介します。
スコープ(照準器)
スコープは主にハーフライフル、ライフル、エアライフルで活用します。遠距離から動物や鳥を狙撃するために使用するため、倍率が4倍から高いものだと32倍など様々な種類があることが特徴です。
バイポッド(銃架)
バイポッドは銃の下部に取り付ける脚のようなものです。地面に伏せて撃つ場合に安定性を向上させ、よりブレを少なく射撃できるため命中率が向上します。
銃用ストラップ(スリング)
銃猟ストラップは銃の持ち運びをしやすくするものです。肩掛けの紐のようなものであり、銃を背負うことや手を離して作業を行えるようになります。
ただし、銃を手で保持するよりも銃口が振れやすいため、銃口管理には注意が必要です。
わな猟では専用の罠が必要
ここでは、わな猟で使用する専用の罠について紹介します。
くくり罠
くくり罠は、動物の足をくくるための罠です。地雷のように隠された罠を踏むと作動し、ワイヤーが動物のくるぶし部分をとらえます。
箱罠
箱罠は、大型のカゴのような罠で動物をとらえるものです。くくり罠と違い、1年中野外に出しておくこともあるため時折整備が必要です。
大型のものはイノシシやシカをとらえる時に活用します。また、小型のものではキツネやタヌキ、ウサギやイタチなどを捕獲する時にも使われます。
ナイフと刃物
ここではナイフ等狩猟で使える刃物類を紹介します。
ハンティングナイフ
ハンティングナイフは動物にとどめを刺す時や血抜きで使用します。比較的大型の剣鉈が使われることが多く、対動物以外にもヤブを切って進む時にも活躍します。
スキニングナイフ
スキニングナイフ(スキナーナイフ)は主に動物の皮剥ぎに使用するナイフです。先端がフックのようになっていることが特徴で、鹿の解体などで使用します。
小型の手斧(ハチェット)
小型の手斧は、木が多い場所で活躍します。枝を切り落とす枝打ちや、薪を割って即席のテーブルと椅子を作ることもできます。
ただし、他のナイフに比べやや大型なため、よほど枝の多い場所か長い狩猟にならない限り優先度の低いアイテムでもあります。
衣類・装備品
ここでは狩猟の際の服や装備品を紹介します。
アウトドアウェア
市販されているアウトドアウェアは狩猟でも活躍します。軽量かつ、速乾性や防水性の機能があるものも多いため、山の中を動き回るには最適です。
ただし、色には注意が必要です。特に緑や迷彩柄は他のハンターにとって視認しにくく、事故のもとになります。アウトドアウェアなどを選ぶ場合は、迷彩以外のものを選びましょう。
季節も重要となります。秋口の紅葉の時期ですと、オレンジや赤系の色は逆に溶け込んでしまいます。紅葉の季節は青系にする、葉が落ちた時期は赤系にするなどの工夫が必要になります。
ハンティングベスト
ハンティングベストの多くは明るい色ですが、動物にとっては視認しにくい色であり、狩猟の妨げになることは少ないベストです。
また、ポケットが多くついているものが多く、換えの弾やGPSなど狩猟で使うアイテムを収納できます。
さらに、上から羽織るタイプが多いため、アウトドアウェアの上に着れるのも嬉しいポイントです。
耐水・防寒ブーツ
耐水・防寒ブーツも重要なアイテムです。特に、川が流れている場所や雪がある地域では必須アイテムになります。
また、雨が降った翌日に猟場に行く場合、笹の葉などの植物が濡れている場合があります。当日だけでなく、前後の天候も見ながらブーツを選びましょう。
その他の便利道具
最後に、あると便利なその他の道具を紹介しましょう。
双眼鏡
双眼鏡は獲物を確認する時に役立つアイテムです。
遠距離からだと、木の幹なのか鹿の体なのか判別がつきにくいことがあります。そんな時簡単に確認できるのが双眼鏡です。
倍率が高過ぎると視野角が狭くなるため、獲物を見失いやすいです。そのため、初心者のうちは2〜4倍の双眼鏡や、倍率を変更できる双眼鏡がおすすめです。
ライフルのスコープでも大体可能ですが、ライフルスコープは繊細な道具なため扱いに注意が必要です。と、銃に付いている状態で確認するのがほとんどですので銃口管理が疎かになりがちですのであまりお勧めできません。必ず安全な方向だということを確立できる時以外はスコープでの確認はするべきではありません。双眼鏡の方が使いやすいため、1つは持っておくことをおすすめします。
GPSと地図
GPSと地図を持っておくと、いざという時も安心です。山道は入り組んでおり、慣れていなければすぐに方角と自己位置を見失います。
そんな時でも、GPSを持っていれば現在の座標がわかるため、地図で自己位置の判断が可能です。通常、GPSで方角も分かりますが、電池切れの心配がある場合はコンパスも持っていきましょう。
フィールドドレッシングキット
フィールドトレッキングキットは、ナイフやノコギリなど山の中で使いたいアイテムがセットになって販売されているものです。
メーカーにより内容物は様々ですが、数種類のナイフと研ぎ機がセットになっているものが一般的です。先述したナイフがセットに入っている場合もあるため、これから買い揃える場合は一度調べてみましょう。
まとめ
狩猟は様々な道具を使いこなして初めて成功します。とは言っても、いきなり全ての道具を揃えるのは金銭的にもスキル的にも現実的ではありません。
まずは行う猟に合わせた最低限の道具を持ってから始め、徐々に必要に応じて道具を増やしていきましょう。
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