本記事では、狩猟の現場で行われる止め刺しについて解説します。
重要性から実際に行う際の道具、手順まで初心者向けに噛み砕いて解説していますが、やや残酷な表現もありますので、ご注意ください。
正しく止め刺しを行わなければ、法令違反となり罰せられることもあるため、特に重要性の欄は必ずご覧ください。
止め刺しとは?
止め刺しとは、罠で捕獲した野生鳥獣にとどめを刺すことです。主にわな猟で行われることが多いため、イノシシやシカなどに対して止め刺しを行うことが多くあります。
また、止め刺しという言葉は本来は罠にかかった獲物に対して使いますが、銃を使った狩猟において止めを刺す時に使うこともあります。本記事では主にわな猟における止め刺しについて解説しているため、混合しないようご注意ください。
狩猟における止め刺しの重要性
まず、罠にかかった獲物をそのまま放置することは禁止されています。弱らせて餓死させてしまうと、法令違反となる可能性もあるためご注意ください。法令違反にならないためにも、捕獲した獲物は適切に止め刺しを行う必要があります。
また、止め刺しを適切に行い、上手く血抜きができると、肉の獣臭さを軽減できます。解体した後に調理する場合には、止め刺しの場面が重要です。
止め刺しのコツは、刺す位置を覚えて一気に刺すことです。心臓の上にある動脈部分を切ると血抜きも上手くできますが、位置を覚えるには経験が必要です。そのため、初めて止め刺しを行う場合はベテラン猟師の方とともに行うことをおすすめします。
止め刺しの手法と道具
止め刺しの手法は大きく3つあります。
- 銃による止め刺し
- ナイフによる止め刺し
- 電気による止め刺し
このうち、狩猟の現場で行われる機会が多いのは銃とナイフによる止め刺しです。電気による止め刺しはゴム製の手袋・長靴が必要だったり、電気止めさし器が必要だったりと準備が大掛かりになります。
銃器を使った止め刺しの場合、大型の個体であっても安全に仕留められるメリットがありますが、猟銃の所持には免許が必要、使える時間や場所が限られるなどのデメリットがあります。
反対に、ナイフを使った止め刺しは、血抜きまであわせて行える点や、時間・場所の制限が銃に比べて少ないことがメリットです。反対に、獣が動き回る場合は怪我のリスクがある点がデメリットといえます。
効果的な止め刺しの手順と注意点
ここでは最も多く行われる「ナイフによる止め刺し」の手順と注意点を解説します。
手順はシンプルで、以下の通りです。
- 棒などで頭部(または後頭部)を殴打し失神させる
- ナイフで頸動脈や心臓付近の血管等を刺し、失血死させる
ナイフによる止め刺しは、近距離で行うため、捕獲した動物の反撃には注意が必要です。興奮した野生動物の力はすさまじく、時には罠を破壊して暴れることもあります。
箱罠の場合はネジのゆるみなどが無いか、くくり罠の場合はワイヤーにほつれが無いかなど事前の確認が重要です。
まとめ:止め刺しの重要性とは?
適切な止め刺しは法令違反をしないためや、自身の身の安全を守るために重要です。また、止め刺しごすぐに血抜きまで行えると、ジビエ肉として調理する際、臭みが少なくなります。
罠にかかっているからと言って、獲物が弱っているとは限りません。止め刺しを行う場合は怪我に繋がらないよう、細心の注意を払って行いましょう。
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