本記事では鹿肉を調理する時の注意点を解説し、調理前のリスクを低下させるための下準備についても紹介します。
せっかく獲った鹿を美味しく安全に調理するためにも必要な知識ですので、ぜひご覧になったうえでジビエ料理にチャレンジしてみてください。
鹿肉を調理する時の4つの注意点
鹿肉には「E型肝炎ウイルス」や「腸管出血性大腸菌」「寄生虫」などの危険があります。食中毒や、感染症の原因になるため、調理の際には正しい知識と技術が必要です。
主に必要な鹿肉の注意点は以下の通りです。
- 食肉処理業の許可を受けた施設から仕入れる
- 仕入れ時に異物・異常がないかを確認する
- 使用した器具は消毒する(83℃以上の熱湯または200ppm以上の次亜塩素酸ナトリウム)
- 加熱を十分に行い、食中毒菌、E型肝炎ウイルス、寄生虫を殺す
では次に、鹿肉を調理する前の下準備を見ていきましょう。
鹿肉を調理する前の下準備
鹿肉を調理する前の下準備は以下の流れで行います。
- 1週間熟成させる
- 外側の腐敗した表面をトリミングする
- 必要な大きさにカットする
- 冷凍して保存しておく
- 解凍は冷蔵庫内で行う
1.1週間熟成させる
真空パックに入れ、十分に空気を抜いた後低温下で保管します。この時、以下の手順で行うことをおすすめします。
- 真空パックに鹿肉を入れる
- 深めのプラスチック容器に真空パックごと入れる
- 真空パックの上に氷を敷き詰める
- プラスチック容器に蓋をして、冷蔵庫で1週間熟成させる
氷が溶けた場合は、都度溶けた分の氷を追加していきましょう。氷を入れておくことで雑菌繁殖を防ぎながら熟成ができます。
2.外側の腐敗した表面をトリミングする
外側の黒っぽくなっている部分は腐食箇所なため、トリミング(切り取り)を行います。本来、ニオイは発生しないため、腐敗臭がしている場合や、緑色に変色している場合は肉が腐ってしまった可能性があります。
色は赤肉のままか、腐ったような嫌なニオイがしないかも同時に確かめましょう。
3.必要な大きさにカットする
調理法によって必要な大きさは様々です。部位によっても大型・小型のお肉に向いているかが分かれますので、これから調理を楽しみたい方は以下の記事もぜひご覧ください。
4.冷凍して保存しておく
熟成が終わったら、冷凍で保存しましょう。冷凍保存しておけば、細菌繁殖を防ぎながら保存できます。ただし、長期間の保存はいわゆる「冷凍焼け」になってしまい、味と食感が落ちます。
可能な限り早めに調理し、食卓で楽しみましょう。
5.解凍は冷蔵庫内で行う
鹿肉の解凍は4℃以下の冷蔵庫内で時間をかけて解凍しましょう。常温下での自然解凍は雑菌が発生しやすく、ジビエ肉は特に雑菌によるリスクが高いためです。
まとめ
ジビエ肉は正しい調理を行わなければ、食中毒や感染症などのリスクがあります。特に熟成させる場合は、細菌の繁殖を抑える工夫をしないと、肉の腐敗にも繋がりかねません。
せっかく獲った肉を美味しくいただくためにも、下準備や調理時は手間をかけながら丁寧に保存・調理していきましょう。
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