口径とは?狩猟やクレー射撃で銃・弾選びに役立つ情報も解説

「口径ってよく聞くけど、そもそも何なの?」
「銃口と口径って違うものなの?」

銃に関することは専門性が高く、疑問に思っても中々情報が出てきませんよね。
そこで本記事では、口径についての基本や、狩猟や標的射撃を行う際に必要な情報を網羅的に解説します。

銃に興味がある方はもちろん、これから狩猟やクレー射撃、標的射撃を始めたい方にとって役に立つ情報が満載ですので、ぜひご覧ください。

口径とは?

口径とは、ライフリングの直径を測り数値化したものです。散弾銃は銃身の厚みに違いや絞りがあることから、必ずしも口径と銃口の直径は一致しません。

銃の口径は、基本的に山径と呼ばれる、ライフリングの出っ張った部分同士の直径で測ります。ただし、.308Winなど一部の弾では谷径という凹んだ部分で測るものもあります。

口径が同じだからといって、同じサイズの弾が撃てるかというとそうではありません。一部共通する弾はありますが、ライフル銃などでは口径に対して使用できる弾が決まっています(適合実包)。

口径の種類と特徴

口径にはいくつもの種類と特徴があります。ここでは、大きなカテゴリーで括って紹介しましょう。

小口径と大口径

まず、口径は大きく小口径と大口径に分かれます。名前のごとく小さい直径は小口径、大きいと大口径ですが、どこまでが小口径でどこから以上が大口径、といった明確な線引きはありません。

大袈裟な話をすると、50BMG(12.7mm)という重機関銃に使われる弾は、成人男性の握り拳よりも大きな長さです。

このように、銃によって口径は様々であり、小指の先程度の弾から握り拳サイズの弾まで用意されています。

ライフルの口径

ライフルの口径には様々な種類があります。.30-06や.308Win、.300WinMagなど日本で多く使われている30口径と呼ばれる種類だけでも数多くあるほどです。日本国内で射撃用途しか許可が下りない.22口径や狩猟に用いれる最小ですと.243口径(6㎜)、30口径よりも大きい.338口径(8.59㎜)、狩猟用途で所持できる最大口径は10.5㎜(.41口径)までとなります。

ライフルの口径の大きさは、飛距離や威力に特に大きく影響します。反動も異なるため、威力・飛距離・命中精度のバランスを取れる口径が理想です。

ピストルの口径

ピストルの口径は38口径や9mmなどが一般的です。日本では狩猟に使用できないため、警察や自衛隊、ピストル射撃競技以外で見る機会はほとんどありません。

余談ですが、マグナム弾はピストルに限った弾ではなく、ライフルの弾としても存在しています。

口径と弾薬の関係

ここでは口径と弾薬の関係について解説します。

弾薬選びのポイント

日本では散弾銃なら12番、20番、410番が主流です。ライフル銃であれば、もっと種類が増え、.30-06、.308Win、.243Win、.300Winmagなど多岐に渡ります。

基本的には大型の弾であれば火薬を多く入れられるため、威力が高くなります。しかし、その分反動も大きくなるため命中率とのバランスを考えることが重要です。

口径による弾薬の種類

弾薬の種類は複数使えるといったものではなく、その口径の銃にはその口径の弾薬しか使えない、と結びついています。

注意が必要な点としては、大きめの薬室には小型の弾が入ってしまうということ。実包の長さにより銃の故障や暴発を招くため、適合実包は必ずご確認ください。

口径選びの基準

ほとんどの場合、銃砲店で販売されている銃に問題はありませんが、猟銃として認められる銃口は以下の通りです。

  • 散弾銃:最大で12番(専らクマ・トドが対象の場合は8番まで)
  • ライフル銃:最大で10.5mm(0.41インチ) (専らクマ・トドが対象の場合は12㎜まで)

用途別のおすすめ口径

散弾銃なら、基本的には12番を選ぶことをおすすめします。詳しくは後述しますが、入手しやすく威力も十分なためです。狩猟であっても、標的射撃であっても活用できる口径なため、迷ったら12番を選択しましょう。

ライフル銃については、目的によりおすすめの口径が異なります。例えば、熊などの大型動物や、遠い距離から鹿などを狙撃する場合は、.300WinMagなど大型のマグナム弾が必要になります。

中近距離で鹿や猪を撃つ場合には、.270Winなど小型の口径でも問題ない場合があります。摂りたい獲物や猟場の射距離により異なりますので、ライフル銃でのおすすめはぜひ銃砲店にお問い合わせください。

射撃スポーツと狩猟における口径の選び方

標的射撃などライフル銃を用いた射撃で精度を上げたいならこだわった方が良いですが、クレー射撃などでは口径よりも狙い方などの方が大切です。

また、散弾銃でクレー射撃と狩猟を行う際は口径よりも、弾の粒の大きさで選ぶケースが多いです。

射撃の種類弾の粒の大きさ
狩猟(動物)00B〜BB、スラグ弾
狩猟(鳥)3号〜7.5号
クレー射撃トラップ:7.5号スキート:9号

口径に関するよくある質問

ここでは口径に関するよくある質問をまとめました。銃や弾選びで困った際にぜひご覧ください。

初心者におすすめの口径は?

散弾銃であれば、12ゲージが最も流通していて、ランニングコストに優れるといった点でおすすめです。火薬量も比較的多く、撃ち出す力が強いため初心者向けと言えます。

ライフル銃については、好みや体格、狙う獲物によって様々なため一概には言えません。ただ、最近人気が高いのは「.300PRC」です。威力と命中精度のバランスが取りやすいため、ライフル使いには好まれています。

口径が与える射撃性能への影響は?

一般的に口径が大きくなるということは、弾のサイズが大きくなるということです。弾のサイズが大きくなれば、それだけ火薬量を増やせます。

火薬量が増えれば、威力が上がりますが、その分反動が大きくなり命中率は下がる傾向があります。射撃性能は弾の威力と命中精度のバランスが重要な指標になるため、過不足ない口径選びが重要になります。

ライフルを使う人の中には、自分で火薬量を調整しながら命中精度と威力を両立させる人もいるほどです。

まとめ

口径とは、口径とは、ライフリングの直径を測り数値化したものです。多くの銃は口径≒銃口の大きさですが、散弾銃は違います。

散弾銃は番径(またはGA)で表示することが多く、日本で広く流通しているのは12番です。その他にも20番、410番といった種類が使われています。迷ったら12番のものを選ぶことをおすすめします。

ライフル銃については、口径が多岐に渡り、獲物や射距離によっておすすめの口径が異なります。銃砲店に相談のうえ、銃を選ぶことをおすすめします。

シューティングサプライでは、口径以外にも銃の知識を学べる記事を数多く公開しています。銃に興味がある方から、狩猟・クレー射撃などに参加してみたい方まで、役立つ情報が満載ですのでぜひご覧ください。

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