本記事では、スコープのレティクルについて解説します。スコープはライフル射撃やエアライフルにとっては必須になる場面も多々ありますので、この機会にぜひ学んでみましょう。
レティクルに関する理解度が上がると、命中率アップに繋がります。初心者が特につまずきやすい部分なため、専門用語を使用せずわかりやすく解説します。
スコープを使った狙撃に挑戦してみたい、新たに射撃を始めたい方はぜひご覧ください。
レティクルの基本
レティクルとは、スコープで照準を合わせるために用いる線のことです。主に十字のものが使われますが、スコープによってはT字のものや、その他違う形状のものもあります。
スコープのレティクルは、事前に射撃場で調整を行います。射手の任意の距離にてレティクルの中央で撃つと、弾も中央に行くように調整するのが一般的です。
しかし、猟場では獲物との距離が前後します。そういった場合はレティクルの中央から何目盛り上に合わせて撃つなど工夫が必要です。
弾の種類と距離、レティクルの種類によって見る位置が変わりますので、事前に学んでおくことが重要です。
弊社のお得意様であるライフルマンの方は、自作の表で対応していました。以下の動画内で射撃シーンもありますので、あわせてご覧ください。
レティクルの種類
次に、代表的なレティクルの種類を見ていきましょう。
十字型:クロスヘアー、マルチエックスなど
最もシンプルなレティクルであり、細い十字の線に合わせて射撃を行います。十字型のレティクルで慣れておけば、他のタイプに移行してもスムーズに理解できるため、初心者の方には特におすすめです。
細い線で見にくい場合は、マルチエックス(デュープレックス)タイプがおすすめ。外側の線が太く、中央の十字のみが細い線になっているため、狙いがつけやすい特徴を持ちます。
I字・T字型:ポスト、ジャーマンポストなど
照星のようにI字になっているものや、アイアンサイトのようにT字になっているレティクルもあります。
十字型と比べやや狙いにくくはなりますが、視界を多く確保できるため獲物の行動が見やすい点がメリットです。
ドット型:クロスドット、ミルドットなど
十字型の中央に点が打たれているレティクルです。狙いがつけやすいメリットがありますが、距離が遠い場合ドットの大きさで獲物が見えにくくなるデメリットもあります。
また、ドットとレティクルの間に細い線が入ったミルハッシュ型のものもあります。線ではなくドットが等間隔に打たれているデザインをミルドットといい、ミルハッシュ・ミルドットはミルという単位で間隔を定めてデザインされています。自衛隊や軍隊で使用される単位で、ミル計算という計算方法がありそちらを熟知している方でしたら非常に使いやすいレティクルとも言え、狙撃を極めたい人向けのレティクルになります。
レティクルをうまく活用するコツ
レティクルをうまく活用するコツは、以下の通りです。
- スコープの視度、視差を調整する
- 事前に距離とレティクルの対応表を作っておく
- 射撃場で伏せ撃ち、依託射撃の練習をしておく
スコープの視度・視差を調整する
射撃前に、スコープの視度を調整することが重要です。視度とは、レティクルのピントのことで、視度が合っていないとレティクルがぼやけます。
基本的には接眼レンズ側を回すことで調整し、一度調整したら動かさないようにします。また、視力により見え方や調整度合が異なるため、猟場でメガネをかけている方はメガネをかけた状態で調整しましょう。
次に視差です。視差とは狙う対象物のピントのことです。スコープによっては視差の調整ができるものとできないものがあり、できないものはスコープメーカーが設定した距離で合うようにあらかじめ固定されてます。調整ができませんのでそのままの使用となります。
調整できるものはスコープ中央左側にあるもの(サイドフォーカス)、対物側にあるもの(フロントフォーカス)がありますが、役割が同じで横に付いているか前に付いているかの違いです。狙っている対象物に対してピントが合うようノブを回して調整します。
視度と視差、両方を適切に合わせないとズレが生じますので無駄弾を撃つことになります。
事前に距離とレティクルの対応表を作っておく
自分の使う弾と距離に対応した、レティクルの調整表を作っておくのもおすすめの方法です。ただし、表を作成するためには射撃場で、どれだけ弾がズレるかを研究する必要があります。
最近はスマートフォンのアプリで弾道計算してくれるものがあります。非常に便利ですが、装弾のデータ(初速・弾頭の空気抵抗値)を調べる必要がある為、道具や事前準備が必要です。
現地で表を確認しながら調整すれば、レティクルの中央に撃つことで命中させられるため、難易度が下がります。現地での距離測定は、レンジファインダー(距離計)があると便利です。
射撃場で伏せ撃ち、依託射撃の練習をしておく
現地に近い環境でレティクルを覗くことも重要です。射撃場で調整した後は、机ではなく伏せ撃ちやリュックを使った依託射撃など、現地に近い状態で練習しましょう。
環境が変わると、スコープを覗く感覚も変わります。獲物を見つけてスムーズに射撃に移れるように事前に練習しておくことが大切です。
ただし、射撃場で許可されているかどうかは事前にご確認ください。
まとめ
レティクルとは、スコープを覗いた時に見える線のことで、通常は十字型のものが多いです。スコープにより種類が異なりますが、初心者の場合はまず十字型の使用をおすすめします。
レティクルを上手に使うには事前の準備が重要です。視度・視差の調整と、現地に近い環境での射撃練習、対応表の作成をしておくことで命中率が上がります。
また、ライフル、エアライフルそのものの知識もつけておくと、より射撃が楽しくなります。命中率アップにも繋がりますので、以下の記事をご覧のうえ、狙撃に挑戦してみてください。
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