近年、北海道に棲むエゾシカが急増しています。
可愛い動物が増えるだけならば問題はありませんが、数十億円の被害や事故が発生するほど深刻な問題になっているのです。
これは人ごとでは無く、北海道に住む方はもちろん、北海道の旅行中に事故や電車の遅延などあなたにとってデメリットが起こる可能性があります。
そこで今回は、エゾシカ猟を行うハンターが店長を務める銃砲店、シューティングサプライがエゾシカ急増による問題を徹底解説します。
自然界と私たちの暮らしのバランスを考えるためにも、参考にしていただけると幸いです。
年間75万頭!エゾシカが増えすぎて被害が広がる
北海道庁の調査によるとエゾシカは2011年に78万頭いましたが、減少傾向にありました。しかし、ここ数年増加傾向にあり、2022年の推定生息数は75万頭と、ピーク時に近づきつつあります。
かつての減少はハンター協力のもと行われた「捕獲集中期間」の結果ですが、エゾシカ自体も賢くなり、ハンターが射撃を禁止されている地域や時間帯に出現するようになってきているとのこと。
増えたエゾシカは北海道内に様々な被害をもたらします。
エゾシカによる主な被害
ここではエゾシカによる具体的な被害を見ていきましょう。
運転中の事故
運転中、エゾシカが道路に飛び出してくることがあります。
見通しの良い昼間であれば避けられますが、夜間に突然飛び出してくることもあるため、北海道内ではしばしばエゾシカとの事故が起こります。
北海道警察のまとめでは年間4,480件の事故があるとのこと。近年、エゾシカが増加していることで市街地に飛び出してくることも少なくありません。
シカを避けようとハンドルを切ったところ、対向車と正面衝突してしまうといった痛ましい事故も過去にありました。
農作物への被害
エゾシカは草食動物であるため、作物や牛の餌である牧草を食べてしまいます。この被害により、作物から牛肉まで食に関する被害が多く出ているのが現状です。
北海道の厚岸町では、シカによる被害で約1.5億円もの被害額が出ています。問題視した厚岸町は、シカ1頭につき1万円の報奨金を出すなど対策を講じています。
電車の運転見合わせ
エゾシカが線路に飛び出してくることにより、電車が遅延します。
数十分〜数時間ダイヤが乱れることも珍しくなく、最悪の場合運休になってしまうことも。
特に北海道の電車の多くは山道を通過するため、ローカル線であればあるほどエゾシカ衝突による運転見合わせのリスクが高まります。
エゾシカの被害額は44億円
令和3年度の北海道庁発表の調査結果によると、エゾシカによる農林水産被害額は44億円にのぼるとのこと。
北海道全体での野生鳥獣による被害総額が54億円であるため、エゾシカは全体の80%もの被害をもたらしています。
日本全国で見ても北海道の被害額はずば抜けて大きく、そのほとんどがエゾシカによる被害であるため各自治体は対策に頭を悩ませているのが現状です。
そんな中、ハンターによる駆除をした鹿の活用方法が注目を浴びています。
対処法:エゾシカを駆除できるのはハンターしかいない
自然界でエゾシカの天敵はヒグマとエゾオオカミでした。しかし、エゾオオカミが絶滅した今、バランスを取れるのは自然界にヒグマしかいません。
そのヒグマも、近年人里に降りてきて被害をもたらすことも多く、エゾシカ以上に危険な存在と言えます。そのため、ハンターが必要なのです。
動物を殺めることは一見残酷に思えるかもしれませんが、私たちの生活を守るために必要不可欠なことです。
エゾシカやヒグマを狩り、自然界と人間の生活を保つハンターがいなければ、先ほど紹介した被害はますます増加します。
しかし、ハンターも無闇に命を奪うことはしません。仕留めた後のことも考えて狩猟をしています。
エゾシカを駆除した後の活用方法3つ
ここでは昔から行われている駆除後のエゾシカの活用方法から、最新の方法まで紹介します。
1.ジビエとして楽しむ
最もポピュラーな方法は、ジビエとしてシカ肉を楽しむ方法です。ハンターが自ら解体することもあれば、お店に販売し料理として提供される場合もあります。
香りにクセがありますが、独特の風味と食感は他の肉では味わえないお肉になっています。血抜きが上手いシカ肉は臭みも減りますので、鍋やBBQで楽しまれることが一般的です。
近年ではお土産用にシカ肉の缶詰が販売されることもあります。
2.小物やアパレル用に加工する
エゾシカの角は、昔から観賞用やアクセサリーとして楽しまれてきました。
近年では、シカの革を利用したレザージャケットも販売されており、柔らかくきめ細かい手触りであることから着用しやすいジャケットとして注目されています。
シカの革はカバンや靴などアパレル関係のアイテムとして生まれ変わるため新たなムーブメントを巻き起こす可能性を秘めています。
3.動物園の餌になる
動物園では、トラやライオンなど肉食獣のエサとして、駆除したエゾシカの肉を使うことがあります。
北海道には旭山動物園、円山動物園、釧路市動物園など多くの動物園があり、そこに住む動物たちの維持にもエゾシカは役立てられます。
まとめ
エゾシカの急増は北海道に関わる人にとって人ごとではありません。自然界で急増してしまった以上、バランスを取れるのはハンターだけです。
もしあなたが狩猟を趣味としてやってみたい、興味があるようでしたら、ぜひシカ猟をやってみませんか?
ハンターになると、ジビエを楽しめることはもちろん、報奨金がもらえたり一生の趣味にできたりと良いことも多くあります。
専業猟師でなく、土日の趣味としても楽しめることがハンターの魅力です。
シューティングサプライでは、これからハンターになりたい方向けの情報を多く公開しておりますので、少しでも興味をお持ちの方はぜひご覧ください。
狩猟のギモン、YouTubeでお答えします
シューティングサプライでは、YouTubeチャンネルも運用しています。
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