鹿猟の際、弾選びについて悩む方も多いと思います。散弾なら粒のサイズや薬莢の大きさに迷うことも珍しくありません。
そこで今回は銃や火薬、装弾を販売する銃砲店シューティングサプライが、鹿撃ちをする時の弾選びについて解説します。
専門店ならではの知識をわかりやすくお伝えしますので、これから猟を始めたい方の参考になれば幸いです。
また、既に鹿撃ちを行っており、命中精度を上げたい方にとっても役に立つ極意をお伝えしますのでぜひご覧ください。
鹿撃ち用の弾の選び方
まず、鹿撃ち用の弾を選ぶ時には「散弾銃」なのか「ライフル」なのかを把握します。特に「ハーフライフル」は散弾銃に含まれますのでご注意ください。
散弾銃
散弾銃の場合、まず「ハーフライフル」なのか「通常の散弾銃(スムースボア)」なのかを確認します。
ハーフライフルの場合
ハーフライフルは専用の「サボットスラグ弾」を使用することになるためご注意ください。また、「DUPO」や「MONOLIT」といった弾であればハーフライフルでも使用可能です。
通常の散弾銃(スムースボア)の場合
通常の散弾銃であれば、散弾、スラグ弾を使用します。絞りのある銃身ですと「DUPO」「MONOLIT」あたりが使用可能です。絞りのない場合はブリネッキスラッグの使用も可能です。サボットスラグ弾は使用不可(絞りによっては発射可能ですが、横転弾になります)なためご注意ください。
散弾の粒の大きさは、シカであればスラグ弾がおすすめです。バックショットと呼ばれる大粒散弾でも捕獲は可能ですが、周りの状況や猟のスタイルによっては跳弾の危険もありますのであまりお勧めできません。
それぞれの弾について詳しくは以下の記事で解説しておりますので、細部まで理解したい方はこちらをご覧ください。
ライフル
ライフルの場合は、その銃に合ったサイズの弾を選びます。散弾銃よりも種類が多く、308Win、300Winmag、30-06など様々です。
鹿との遭遇距離にもよりますが、命中率を上げたい場合は308Win、威力を上げたい場合は30-06、遠射をしたい場合は300Winmagがおすすめです。総合的に308Winは鹿猟で人気の高い弾になります。
通常は所持されているライフルの使用弾はご存知だと思いますが、装弾にも弾頭の重量が複数設定されているものもあります。どれが良いかは結論的には試射してみないとわかりませんが、お使いのライフルのライフリングツイストにも関わってきますのでご不明な場合はお問合わせください。
対応した弾のサイズを把握しておくと、既成装弾を購入するだけでなく、ハンドロードで再利用することも可能です。
ライフル弾についてや、ハンドロードについては以下の記事で解説しておりますので、あわせてご覧ください。
鹿撃ちの弾を選ぶ時の注意点
鹿撃ちの弾を選ぶ時には何点か注意点があります。どちらも事故に繋がる可能性があるため、必ずご確認ください。
薬室の長さ以上の弾を使わない(散弾銃に限る)、使用実包名称以外の弾を使わない(ライフルに限る)
散弾銃によって薬室の長さが異なります。
弾が発射される際、薬莢の先端が花開いたように伸びますので(クリンプ分が伸びる)、この広がる状態を含めて薬室の長さに収まる弾を選ぶことが大切です。
薬室の長さ以上の弾を使用すると、異常内圧で破裂となり怪我のおそれや、最悪の場合死亡事故に繋がります。薬室長については、銃身側に刻印がありますのでそちらをご確認いただければと思います。
刻印を見てもなお、薬室の長さと弾に不安がある方は、当店にお持ちいただければ合う装弾を紹介させていただきますので、スタッフにお問い合わせください。
反対に、薬室の方が長い(弾が短い)場合は問題無く撃てますのでご安心ください。
ライフルの場合は使用できる装弾名称以外のものは使用できません。(308Winなら308Winのみ)散弾銃のように長い薬室等の概念がありませんので、間違っても30ー06の銃で308Win装弾を撃てる。といった解釈はしないでください。
北海道で猟をするなら鉛弾NG
北海道では、粒径7㎜以上の鉛弾の使用が禁止されています。銅弾、軟鉄弾を使用してください。
北海道以外であれば使用OKのところがほとんどですが、一度猟友会や自治体のホームページなどで使用可能な弾について調べた上で猟に出ましょう。
まとめ
今回は鹿撃ちをする時の弾について解説しました。まずはお持ちの銃が散弾銃の場合、ハーフライフルと通常の散弾銃(スムースボア)で弾が異なる点にご注意ください。
散弾でシカを撃つのであれば、スラグ弾がお勧め。
ライフル銃については、銃ごとに使用できる弾のサイズが異なるためご注意ください。鹿猟で人気が高いのは308ウィンチェスター、遠射する場合は300Winmag。
散弾銃で間違えて薬室以上の長さの弾を発射してしまうと異常内圧となり破裂、最悪の場合死亡事故に繋がるため弾のサイズだけは間違えないようご注意ください。
ライフルでは使用できる名称以外の装弾は使えない。
また、北海道で狩猟をされる場合は鉛弾が使用禁止な点には注意が必要です。
今回は鹿撃ちの弾の解説でしたが、鹿撃ちのコツについても情報を掲載しています。以下のリンクからご覧になれますので、命中率を上げたい方はぜひ参考にしてください。
狩猟のギモン、YouTubeでお答えします
シューティングサプライでは、YouTubeチャンネルも運用しています。
「鹿を仕留める時のコツはある?」
「銃の値段が違うと何が違うの?」
「そもそも銃砲店の店内ってどんな感じなの?」
上記のような、実際のお客様から寄せられた質問に対し、動画でお答えしています。他のチャンネルには中々ない、現場のギモンも解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。
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