スコープを搭載したい時に必須となってくるスコープリング。ライフル銃はもちろん、ハーフライフルやエアライフルでも搭載する機会があるかと思います。
しかし、スコープの情報は雑誌などで手に入る反面、スコープリングの情報は中々手に入りにくい現状です。
そこで今回は、実銃だけでなくスコープリングからスコープまで幅広く販売する銃砲店、シューティングサプライがスコープリングについて解説します。
選び方や取り付ける時のポイント、おすすめのスコープリングについても紹介しますので、狙撃を行いたい方はぜひご覧ください。
スコープリングを選ぶ時に注意するポイント4つ
ここでは、スコープリングを選ぶ際の基本的な注意点について解説します。
1.スコープの径とスコープリングの径が合っているかを確認する
スコープリングを選ぶ時は、「スコープの径」に合っているか、「マウントレールに搭載できるか」の視点で考えます。
ライフルスコープの一般的な胴径(太さ)は、25.4mm(1インチ)と30mmのものがあります。スコープリングも、そのスコープの胴径に合ったサイズのものがありますので、自分が搭載しようとしているスコープと、リングの径が合っているかを確認しましょう。
30mmのリングで25.4mmのスコープを搭載しようとした時には「スペーサー」という部品の設定があれば装着可能です。ただし、命中精度は落ちてしまうため、可能な限り径が合うものを購入することをおすすめします。
※スペーサーはメーカーによって部品設定している場合としてない場合がございます。
2.レールの幅に合っているかを確認する
リングをベース側へ取り付ける方法は、一般には銃に装着したレール(ベース)に挟み込む形で装着します。そのため、リングのマウント側取付幅と、レール側の幅が異なると装着できないことがあります。
11mmと20mmのタイプがあり、11mmはエアライフル、20mmは散弾銃・ライフル銃などの火薬を使用する銃に多い傾向があります。
また、同じ20mmでもピカティニーレールの溝は5.35mm、ウィーバーレールの溝は3.8mmという違いもあります。ウィーバー用のスコープリングであれば、ピカティニーレールにも装着可能なため、こだわりがなければウィーバー用の物を選びましょう。
3.トイガン用のものは使用しない
近年はサバゲーの流行もあり、モデルガン・ガスガンなどに搭載できるスコープが販売されています。それに伴い、トイガン用のスコープリングも販売されており、径が同じであれば使えてしまうものもあります。
しかし、トイガン用のリングは本物をコピーして作成しているものが多く、見た目は本物そっくりでもネジ部の精度まで再現されていないことが多いので、実銃の射撃をしていると締め付けが緩んできてしまい、最悪の場合山に数万円するスコープを落としてしまいます。
回収できたとしてもスコープが歪む、レンズが割れると使い物にならなくなるため、リングはトイガン用のものではなく実銃用の物を選ぶようにしましょう。
4.高さに注意する
マウントリングにはそれぞれ高さがあり、以下の3種類に分けられます。
- ローマウント
- ミディアムマウント
- ハイマウント
スコープリングの高さは可能な限り低い方が良いとされています。その理由は、銃口のラインに近く、射撃時のズレが起きにくいから。
ただし、スコープと銃の距離が近くなり過ぎると、対物レンズと銃身は当たらずに済んでてもボルト式の場合ボルトが接眼側ボデーに当たる、どの銃も排莢時の薬莢がスコープにぶつかり上手く排莢しない、といった影響もあります。
大口径のライフルスコープであれば、以下の式で計算してみてください。
- 対物レンズの径(mm) ÷ 2 + 5mm = マウントリングの中央までの高さ
可能であれば購入前にスコープリングとスコープを搭載させてみて、銃との距離に余裕があるか、頬付けをした状態でスコープが覗けるかという点を確認しておきましょう。
リングの高さは購入後、構造的に調整ができないため、ここは慎重に選んでください。
スコープリングの取り付け方
スコープリングは、マウントベースに取り付ける形で搭載します。銃につけたマウントベースに挟み込む形でスコープリングを取り付けます。
取り付け位置
リング自体の取り付け位置も重要になってきます。リングを取り付ける際は、スコープをつけた状態で実際に射撃の姿勢を取り、調整しましょう。
スコープは眼と接眼レンズの距離により大きく見え方が異なります。いつも通りの姿勢で、いつも通りの頬づけをした際にスコープのレティクルが最大限見やすい位置に調整することをおすすめします。
前後の位置調整に関しては、射撃後も簡単にできるためそこまで神経質にならずともOKです。射撃場で試しながら調整してみましょう。
取り付ける種類の違い
スコープリングには大きく「リングのみ」と「リングマウント一体式」のものがあります。この二つは名前の通り、上記で説明したタイプのリングか、ベースとリングが一体になっている、若しくはベースとリングがセットになっているものか、の違いです。。
マウントベースに「1ピースベース」と呼ばれる板状のベースを設けれる銃の場合は、そのベースの凹凸に適合するスコープリングを用いればOKです。サコーライフル等、特殊形状の場合は専用のリングマウントを使用して前後独立した形で取付る必要がございます。
おすすめのマウントリング
ここではおすすめのマウントリングを紹介します。
KONUS スコープリング
こちらは実銃用のスコープリング。イタリアのKONUS(コーナス)社製のスチール素材のリングになります。
ワンタッチ式のフィンガーレバータイプと、トルクスレンチで締め付けるタイプの2種類があり、前者は他の銃との載せ替えがある方、後者は一度つけたらそのままにしたい方におすすめです。
KONUS 1インチ用を見てみる KONUS 30mm用を見てみるKONUS エアライフル・スモールボア銃
こちらは先ほど紹介したリングのエアライフル用のものになります。火薬銃よりも衝撃が少ないため、価格もリーズナブルな点が特徴です。
また、競技のライフル射撃で使用するスモールボアライフルをお持ちの方もこちらが実用的です。
KONUS エアライフル 1インチ用を見てみる KONUS エアライフル 30mm用を見てみるマーチ ライフル スコープリング
マーチのライフルスコープや、ハイエンドなスコープを搭載する際にはリングにもこだわりが必要です。このマーチ製のスコープリングです。
スコープを愛用しており、ハードな猟場に行かれる方、ガッチリとスコープを固定し命中精度を上げたい方におすすめなリングになります。
サイズと高さが以下のようにやや特殊な点にはご注意ください。
- PC30H26 30mmリング Low(高さ26mm)
- PC30H34 30mmリング Middle(高さ34mm)
- PC30H37 30mmリング Extra High(高さ37mm)
- PC34H30 34mmリング Middle(高さ30mm)
- PC34H34 34mmリング High(高さ34mm)
スコープやベースとリングが合わない時の対処法
ネット上などで購入し、スコープと径が合わない、ベースとリングが合わない時の対処法について解説します。
ただし、リング側の径が小さくてスコープに入らない、マウントベースの幅が太くてリングが入らない場合は残念ながら諦めるしかありません。
径が合わない場合:スペーサーを購入する
リングの径が大きく、スコープを搭載した時にユルユルで固定できない時は「スペーサー」というアクセサリーを購入しましょう。
スペーサーは、リングの内側に入れられる筒のようなもので、30mmのリングを1インチ(25.4mm)のものとして使用できるものです。
ただし、元から1インチの物と比べるとスコープがズレる原因が増えますので、命中精度が下がる可能性もあります。あくまで、間違えて購入してしまった時の処置として考えましょう。
※スペーサーはメーカーによって部品設定している場合としてない場合がございます。
ベースと合わない場合:変換アダプターを購入する
文中でも紹介したように、マウントベースには幅があります。11mm幅ベースに20mm幅用のリングをつけようとするとユルユルで入らないといった時には、変換アダプターを購入しましょう。
11㎜幅ベースの上に20mm幅用のベース変換アダプターを被せるようになっているアクセサリーで、これを装着すれば20mm幅用リングでも11mm幅ベースに装着できます。
まとめ
今回はスコープリングについて紹介しました。スコープを使用しての射撃をする際、最初につまずきがちなポイントです。
特に以下の4点には注意して選ぶようにしましょう。
- スコープの胴径とリングの内径が合っているかを確認する
- ベースの幅がお互い合っているかを確認する
- トイガン用のものは使用しない
- 高さに注意する
特に高さに関しては、ほとんどのスコープリングは購入後調整できません。実際に狙えるかどうか、銃とスコープが干渉しないかどうかを確かめてから購入するようにしましょう。
シューティングサプライでは、この他にもライフル射撃や散弾銃での射撃に役立つ情報を多く掲載しています。ライフルスコープに関する記事もありますので、ぜひご覧ください。
狩猟のギモン、YouTubeでお答えします
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