ウエスタン(西部劇)でよく登場するレバーアクションのライフル銃。レバーを前後すると給弾するということは知られていても、そのメリットやデメリットはあまり知られていません。
そこで今回は、レバーアクションライフルを商品として取り扱う銃砲店シューティングサプライが、レバーアクションライフルの仕組みからメリット・デメリットまでを解説します。
銃好きの方はもちろん、「明日に向かって撃て!」や「バックトゥーザ・フューチャー3」など西部開拓時代を描いた映画が好きな人も知識をつけるとさらに面白みが増しますので、一つひとつ見ていきましょう。
レバーアクションとは?給弾の仕組みを解説
主にライフルに使用される給弾方法の一種で、アンダーレバー式と呼ばれます。仕組みとしては、用心金(トリガーガード)を前方に押し出し、戻すことで給弾します。
19世紀後半にアメリカで流行した銃で、西部開拓時代を描いた映画などにもよく登場します。この時期の拳銃の多くがリボルバー、ライフル銃の多くがレバーアクションでした。
特にウィンチェスター社のレバーアクションライフルは有名で、大昔はリボルバーと弾を共有できるなど、当時はかなりの人気を誇ったそうです。
※現在発売されているモデルは、ライフル弾(ボトルネックカートリッジ)仕様になっています
レバーアクションのメリット
レバーアクションのメリットは肩付けがしやすいことと、連射が効くことです。
ボルトアクションやポンプアクションに比べ、銃本体の前後の動きが少ないため肩付けをしたまま給弾できます。
また、手元だけで操作が可能であるため連射しやすい点も魅力の一つ。2発連続で撃ち込めます。
機能以外でのメリットですと、やはり格好良いこと。ウエスタン好きにはたまらないデザインをしています。クラシカルな銃を求める人にも人気な印象です。
レバーアクションのデメリット
レバーアクションのデメリットは、構造が複雑で強度が弱いこと、チューブ式弾倉であるため弾の種類が限られることです。
レバーアクションは他の給弾方式に比べ構造が複雑です。構造が複雑であるということは、強度と精度が上げにくいということ。そのため、大火力の弾は使用できないというデメリットがあります。また、壊れた時の修理も大変です。
さらに、レバーアクションライフルの多くはチューブ式弾倉といって、弾が前後に並ぶようにできています(普通の弾倉は上下に並ぶ)。そのため、尖った弾頭のものを使用すると、暴発の危険があり、先端が丸みを帯びている弾しか使えないというのもデメリットの一つです。
おすすめレバーアクションライフル
最後におすすめのレバーアクションライフルをお伝えします。クラシカルな銃が好きな方には特におすすめです。
ウィンチェスター M94 30-30Win
八角銃身(オクタゴンバレル)であり、真鍮メッキを施したモデルであることから独特の存在感を持つ銃です。
ウィンチェスターM66と同様の見た目ですが、M66は真鍮製の機関部であり、黒色火薬の銃でした。対してこのM94は現代銃としてアレンジされたものです。
北海道ではヒグマを獲った人もいるほどの実績あるライフルであるため、実用的でもあるライフル銃になります。
アルド・ウベルティ M1866 38-40
通称「イエローボーイ」とも呼ばれる、ウィンチェスターM1866をアルド・ウベルティがレプリカとして作成したものです。
固定チューブ式弾倉であり、容量は5発。こちらも狩猟で実用的な銃になります。
注意点としては、通常のライフル銃と異なり、口径とグレンの読み方が異なる点です。この銃は40口径で38グレンの黒色火薬を使うものになります。
ウィンチェスターのさらに一歩先にあるマニアックな銃であるため、西部劇が好きな方におすすめしたい銃ですね。
デビッドペデルソリ シャープスリトルベッツィー 30-30Win
1984年に作られたこのライフルは、シューター向けのライフルです。全体的に非常にスリムであり、丸みを帯びていることが特徴。
前方にはトンネルフロントサイト、後方にはクリードムーアサイトという非常に珍しいサイトシステムを採用しています。
また、ダブルセットトリガーを採用していることも注目ポイントです。弾倉が無く、単発での射撃となるため狩猟には向かず、ライフル射撃競技で使用する銃になります。
コラム:スピンコックは危険なので絶対にやらない
ターミネーター2などの映画で行われる、片手でレバーアクション銃を回し給弾する方法をスピンコックと呼びます。
見た目が格好良く、真似したくなる気持ちはとてもわかりますが、銃口が一周すること、給弾時に不安定なことなど危険な点が多々あるので絶対にやめましょう。
また、ターミネーター2のように銃身を切り詰めてソードオフショットガンにするのも日本では違法になるため御法度です。
まとめ
今回はレバーアクションについて解説すると共に、おすすめのレバーアクションライフルを紹介しました。ウエスタンのロマン溢れるレバーアクションの魅力が伝わったなら幸いです。
シューティングサプライでは、この他にも銃の給弾方式や仕組みについてマニアックな解説記事をご用意しています。専門用語を極力使わず、わかりやすく解説しておりますので「今まで興味があったけど、よくわかんなかったんだよな」という方はぜひご覧ください。
狩猟のギモン、YouTubeでお答えします
シューティングサプライでは、YouTubeチャンネルも運用しています。
「鹿を仕留める時のコツはある?」
「銃の値段が違うと何が違うの?」
「そもそも銃砲店の店内ってどんな感じなの?」
上記のような、実際のお客様から寄せられた質問に対し、動画でお答えしています。他のチャンネルには中々ない、現場のギモンも解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。
コメントを残す