「薬莢ってなに?弾薬との違いがわからないんだけど…」
上記は、店頭でいただく中でも多い質問です。薬莢と言われても中々ピンと来ませんよね。
そこで今回は、弾を販売し、自作もする銃砲店シューティングサプライが薬莢について解説します。
薬莢の種類や真鍮が使われる理由など、マニアックな内容についても触れていますのでぜひご覧ください。
薬莢とは、弾薬を保持する器のこと
薬莢とは、弾のパーツの一種であり、容器としての役割を持ちます。発射時に膨張して、薬室内に張り付くことで高い密閉性を生み出し、ガスの逆流を防ぐと共に効率良く弾頭を発射します。
ライフル実包など一般的な装弾は、薬莢に雷管、火薬、弾頭をつけることで完成するものが多いです。
空薬莢とは
空薬莢は、撃ち空薬莢と呼ばれることもあり、一般的に弾を打ち終わった後の薬莢のことを言います。
基本的には叩き終わった雷管がついたまま、火薬と弾頭部だけが無くなっているので危険の無い状態です。
また、空薬莢を加工することで、もう一度弾を作ることもできます。リローディングやハンドロードと呼ばれる方法で、詳しくは以下の記事で解説しているためご覧ください。
薬莢の種類
薬莢は銃の種類毎に異なるサイズがあります。ここでは薬莢の種類を見ていきましょう。
拳銃薬莢
拳銃弾の薬莢は「9mmパラベラム弾」「45ACP」などの種類があります。日本国内で一般市民が持つことはありませんが、警察であれば「.38スペシャル」、自衛隊であれば「9mmパラベラム弾」など装備している組織はあります。
散弾薬莢
散弾薬莢や他の薬莢と比べ、金属の面積が少ないことが特徴です。日本では主に「12番」「20番」「410番」のものが使われています。
空薬莢になると先端が開いており、リローディングする際はこの先端のスタークリンプを閉じる必要があります。
散弾実包について詳しくは以下の記事で解説しています。狩猟やクレー射撃に興味がある方はぜひご覧ください。
散弾用薬莢の場合、薬莢そのものを「ハル」と呼び、薬莢の金属部分を「ロンデル」と呼ばれることもあります。
ライフル薬莢
ライフル薬莢は日本国内でも種類が多く「.243」「.284」「.308」などがあります。ライフル銃により使えるサイズが異なり、薬莢の大きさにより入れられる火薬量が変わるため威力や速度に影響します。
同じ「.243」「.284」「.308」でも容積の違うものも存在しますので、必ずその銃の発射できる薬莢名のものを使用しなければなりません。
ライフルの弾薬については以下の記事で詳しく解説しているので、興味をお持ちの方はぜひご覧ください。
薬莢に真鍮(しんちゅう)が使われるのはなぜ?
薬莢に真鍮が使われる理由は、信頼性が高いからです。真鍮はその特性から、膨張と収縮ができる材質で、発射時は膨張して密閉性を高めた上で弾頭を押し出し、燃焼後は元に戻りスムーズに排莢ができるため真鍮が使われます。
また、比較的柔らかいためプレス加工もしやすく製造しやすかったことも理由の一つです。作りやすく、使いやすいため真鍮が選ばれました。
まとめ
今回は薬莢について解説しました。最後にポイントを振り返りましょう。
- 薬莢とは弾の器であり、薬莢に雷管、火薬、弾頭をつけることで弾薬ができる
- 日本国内で主に使用される薬莢の種類は「散弾薬莢」と「ライフル薬莢」
- 薬莢が真鍮である理由は、作りやすく使いやすいから
シューティングサプライでは、この他にもライフル・散弾銃の弾に関する情報を多く公開しています。かなりマニアックな部分も解説していますので、ぜひご覧ください。
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