銃用雷管はプライマーとも呼ばれ、弾にとって重要なパーツの一つです。しかし、専門的でイメージがつきにくいことも事実。
そこで今回は、雷管も販売している銃砲店シューティングサプライが、銃用雷管について仕組みから選ぶポイント、おすすめの雷管までわかりやすく解説します。
専門用語を極力使わない解説になっていますので、一緒に学んでいきましょう!
銃用雷管は火薬の燃焼の起点となる部品
銃用雷管は火薬の燃焼の起点となり、火薬に火をつける役割を担います。
質の悪い雷管を使うと火花が十分に散らず、不発の原因となります。不発弾処理の手間なら良いですが、クマを目の前にしての不発は命に関わるため、非常に重要な部品の一つです。
※雷管が原因の不発以外に、火薬が原因の不発もございます。
弾そのものについての解説は以下の記事でしています、構造を知りたい方はご覧ください。
銃用雷管の仕組み
雷管のお尻の部分(管体)を撃針が叩き、雷管の先から発火、火薬に火をつけます。火がついた火薬は燃焼し爆発力を生み、弾頭を飛ばします。
これは散弾実包でもライフル実包でも同じ仕組みです。
銃用雷管を選ぶ時の3つのポイント
雷管を選ぶ時のポイントは3つあります。それぞれ見ていきましょう。
1.種類に注意する:散弾用か、ライフル実包用か
銃用雷管には散弾用のものと、ライフル実包用のものがあります。それぞれサイズが異なるため、注意しましょう。
基本的には「SHOTSHELL」が散弾用、「SMALL / LARGE RIFLE」のように記載されているのがライフル実包用です。
2.弾のサイズに注意する
薬莢のプライマーホールの直径や、その薬莢に入る火薬の量によって対応する雷管のサイズが異なります。一般的に販売されている雷管と弾サイズは以下の通り。
雷管のサイズ | 弾のサイズ |
スモール | 223Rem、6㎜PPC、6㎜BR等 その他スモール用プライマーホールの薬莢 |
ラージ | 308Winや30-06等、スタンダードなもの |
ラージマグナム | .300ウィンチェスターマグナム.338ラプアマグナム等、薬量が多いもの |
ご自身で弾を作成される場合は、なるべく雷管のメーカーは固定して選ぶようにしましょう。おすすめのメーカーはこの後紹介します。
3.他のパーツとの相性は良いか
弾を自作する際、他のパーツとの相性も大事なポイントです。
例えば、A社の弾頭と火薬がよく当たるけれど、銃と雷管との相性が悪くて不発が起きる。逆に、B社の弾頭と火薬は命中率がそれなりだけれど、雷管と相性が良く不発が起きない=狩猟やクレー射撃を安定して行える、など。
しかし組み合わせの情報などはネット上に情報が少ないため、自作している周りの人に聞いて情報をもらいましょう。また、シューティングサプライの店頭で相談していただければ、今までの経験からお答えします。
おすすめの銃用雷管
銃用雷管は100個入りで売っているものが多く、2,000円〜3,000円前後のものが多いです。ここでは、その中でもおすすめの雷管を紹介します。
FEDERAL(フェデラル)
フェデラルは散弾用とライフル実包用の雷管それぞれを販売しており、信頼性が高いことから国内外で人気の高いメーカーです。
日本に輸入されているライフル用雷管は3種類あり、スモール、ラージ、ラージマグナムに分けられます。通常プライマー(青い箱のもの)とマッチプライマー(赤い箱のもの、精度追及用)があり、マッチプライマーの方が人気が高いです。
他のメーカーと比べ、管体(表面)が柔らかめなのが特徴で、どんな銃でも不発が起きにくいと好評です。
2023,7現在、フェデラル製雷管は全てにおいて入荷未定、在庫切れが続いています…
ウィンチェスター
ウィンチェスターの雷管は日本でも発売されており、比較的入手しやすい雷管です。
スタンダードな雷管であり、ライフル用は「スモール・ラージ・ラージM」の3種類、散弾銃用のものも販売されています。
比較的安価であり、射撃練習などで数を撃つ場合には重宝する雷管と言えます。
注意点としては、フェデラルと比べフェデラルに比べ管体(表面)が硬く、銃との相性や装弾の作り方によっては不発が出る可能性があることです。
レミントン
レミントンの雷管は発火が安定するので特にライフル弾では重宝する雷管です。弾頭や火薬量、薬莢の使用回数を揃えれば同じように飛ぶ弾ができるため、かなり質の良い雷管と言えるでしょう。
しかしながら、日本では販売している箇所が少ない点が難点です。弾不足も相まって中々厳しいのが現状。
もし見かけたら、迷わず買いの雷管ですので、ライフル射撃をされる方は覚えておきましょう。
雷管を着脱するには専用の機械が必要
薬莢から使用済み雷管を抜く時は「ロックチャッカープレス」、使用済み雷管を外した薬莢に雷管をつける時は「ハンドプライミングツール」などそれぞれ専用の機械が必要になります。
また、自作する際は火薬を入れる機械であったり、弾頭を入れる機械であったりと専用のアイテムが必要となる点にご注意ください。
詳しくは以下の記事で解説しています。合わせてご覧ください。
まとめ
今回は銃用雷管について解説しました。最後にポイントを振り返りましょう。
- 銃用雷管は発火の起点となる部品
- 選ぶ時は「薬莢の種類」「ご自身の使用実包」「チャージする火薬量」「ご自身の銃との相性」に注意する
- おすすめの銃用雷管は「FEDERAL(フェデラル)」
装弾に関することでお悩みのことがありましたら、シューティングサプライの店頭にてお気軽にお尋ねください。
また、シューティングサプライでは弾に関する情報も多く公開しています。初心者向けの内容から猟師向けのマニアックな内容まで幅広く紹介しているので、ぜひご覧ください。
狩猟のギモン、YouTubeでお答えします
シューティングサプライでは、YouTubeチャンネルも運用しています。
「鹿を仕留める時のコツはある?」
「銃の値段が違うと何が違うの?」
「そもそも銃砲店の店内ってどんな感じなの?」
上記のような、実際のお客様から寄せられた質問に対し、動画でお答えしています。他のチャンネルには中々ない、現場のギモンも解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。
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