「スラグ弾って聞いたことあるけど、単発のショットガンの弾なの?」
このような質問をよくいただきます。結論からお伝えすると、単発のショットガンの弾です。
ですが、スラグ弾には大きく7種類もの分類があり、それぞれ用途が異なります。また、実際の威力も口頭では伝わりにくいものです。
そこで今回は、スラグ弾を販売している銃砲店「シューティングサプライ」がスラグ弾の特徴、種類や威力、使える散弾銃まで解説させていただきます。
特に威力については動画もご用意しているので、ぜひご覧ください。
それでは、早速スラグ弾の特徴から見ていきましょう。
スラグ弾は散弾銃(ショットガン)で使う単発の弾のこと
スラグ弾は「スラッグショット」「一粒弾」とも呼ばれる弾であり、通称の通り一粒のみが入った弾になります。
散弾銃は通常、小さな弾が多く入っており、発射後に散らばります。しかし、スラグ弾は一発のみが飛んでいくライフル弾のような特徴を持った弾です。
一般的には威力が高く、弾道が安定しているものが多いです。値段は1発200円〜とやや通常の散弾に比べ高価な部類になります。
一口にスラグ弾と言っても、様々な種類があるため次の項目で解説していきましょう。
スラグ弾の種類は大きく7つ
スラグ弾には大きく以下の7種類があります。
- フォスター型
- ブリネッキ型
- ソーベストレ型
- ボール型
- リーサル型
- ワッズ型
- サボットスラグ弾(ハーフライフル専用)
それぞれの特徴を見ていきましょう。
1.フォスター型
フォスター型は最も一般的なスラグ弾で、1931年アメリカで開発されて以来使い続けられている弾です。アメリカンスラグ、ライフルドとも呼ばれています。
後部に穴が空いており、頭の方が重くなるように作られています。これは、バトミントンのシャトルと同じ原理で、弾道を安定させるための特徴です。
さらに、最近のフォスター型にはらせん状の溝が刻まれており、風を受けて風車のように回ることでより安定した弾道を実現しています。
→と言われていますが、本来の目的は「発射にあたっての余分なガス圧力を逃がすための切り欠き」が正解です。
1発200円くらいの値段で売られていることもあり、人気の弾となっています。
2.ブリネッキ型
スラグ弾の中ではかなり歴史が古く、ヨーロピアンスラグとも呼ばれる弾です。1898年にドイツで開発されました。
弾頭部には溝が掘られた金属部分であり、弾の後ろにはフェルトや合成繊維でできたワッズが装着されています。
他の種類よりも高い威力を発揮できますが、銃身の絞りがきついと傷つけてしまう可能性があるので注意しましょう。
命中率が高いことで特徴で、立木の多い所で忍び猟をする時などに人気の弾です。
3.ソーベストレ型
ソーベストレ型は近年フランスで開発されました。腔線が刻まれていない通常の散弾銃で発射することもできます。
独特な形をしていますが、これは装弾筒付翼安定弾(FSDS)と呼ばれ、これの徹甲弾版が戦車でも使用されている方式の弾です。
弾頭が潰れやすく威力が高い、通常の散弾銃でも精密射撃ができるなどのメリットがありますが、1発約600円もする高級な所が難点です。
4.ボール型
名前の通り、丸型の弾です。散弾の大きい版で、通称「マルダマ」とも呼ばれます。
スラグ弾の中では最も命中率が悪いと言われていますが、距離によっては十分実用的で、傷つける範囲が狭いことから、動物の内臓などを傷つけにくくジビエが好きな猟師に好まれる弾です。
ただし、他のスラグ弾と異なり、横の回転に対する措置が何もされていないため中距離以上では実用的でない弾になります。
5.リーサル型
リーサル型は「デストロイヤー(破壊者)」とも呼ばれる弾であり、破壊力が特に強い弾になります。衝突すると先端が割れ、花が咲くように広がり破片が千切れて対象の内部で飛び散ります。
威力が高く動物を仕留めやすいという特徴がありますが、反面傷つける箇所も多くなるためジビエ目的の狩猟では向いていない弾です。
手負のクマなど、確実に仕留めなければいけない時に使用するようにしましょう。
6.ワッズ型
ワッズ型はプラムバタ型とも呼ばれ、近年人気のスラグ弾です。ブリネッキ型と考えは似ており、前方には金属の弾、後方にはプラスチックのワッズが装着されています。
ブリネッキ型との違いは、燃焼ガスの衝撃をワッズが吸収してくれるため肩への衝撃が弱い点、ワッズが外れて弾頭部のみが目標に命中する点です。
7.サボットスラグ弾(ハーフライフル専用)
200m〜250m先のシカを打ち抜けるほどの精密さと威力を合わせ持ちます。通常のスラグ弾は弾が風を受けて回旋するのに対し、サボットスラグ弾はハーフライフルの腔線によりワッズを回転させながら発射。通常の散弾同様、風の力を受けサボットワッズが広がり弾頭が発射されます。
ライフル弾のような安定性と、高威力な弾として使い勝手は最高ですが、これも1発750〜1,000円前後と、お財布に厳しい値段となっています。また、ハーフライフルと呼ばれる専用の機構を持った銃でなければ使用が難しい、鳥猟には使用できないなどのデメリットもあります。
スラグ弾の威力
※海外の動画のため日本とは法律が異なります
動画のように、スラグ弾は近距離であればレンガを粉々にする程の威力があります。また、長距離においても200m先の厚さ5cmの木の板を貫通させるなどかなりの高威力の弾です。使用の際は注意しましょう。
スラグ弾が使えるオススメの散弾銃
最後に、スラグ弾が使えるオススメの散弾銃を見ていきましょう。
モスバーグM9200 12-28”交換チョーク式
モスバーグの散弾銃であり、セミオートのショットガンであるため、連続した射撃が可能です。
アルミ合金であり、重量が3.3kgと軽く、モスバーグの銃は頑丈であるため山に持っていくには最適のメーカーです。
この商品に限って言えば、交換チョークが5本ついていますが、スラグ弾を使う際は絞りのきついチョークを使うと銃身を傷つけるためご注意ください。
中古散弾銃 モスバーグM9200 12-28”交換チョーク式
レミントン 11-96 12-28”交換チョーク式
サベージ M220カモステンレス
こちらはサベージのボルトアクションハーフライフルドショットガンです。サボットスラグ弾を発射でき、販売時にはスコープも付くためシカなどの狙撃をしたい方にオススメの銃です。
チークピースやパットプレート調整可能、着脱式のマガジンを装備しているなど、山の中でも非常に使い勝手の良い銃です。
ただし、通常のスラグ弾では銃身を傷つけてしまうため、実質的にサボットスラグ専用銃な点にご注意ください。
在庫あります※新散弾銃 サベージ M220カモステンレス スコープ等付属品セット
まとめ
今回はスラグ弾について解説させていただきました。最後にポイントを振り返りましょう。
スラグ弾のポイント
- スラグ弾とは、散弾銃で使用する単発の弾のこと
- 威力が高く、弾道が安定しているものが多い
- 値段は1発250円〜とやや高め
- スラグ弾は近くのレンガを粉々にする程の威力
スラグ弾の種類
- フォスター型
- ブリネッキ型
- ソーベストレ型
- ボール型
- リーサル型
- ワッズ型
- サボットスラグ弾(ハーフライフル専用)
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