散弾銃の弾の構造・仕組み・種類を銃砲店が解説!狩猟やクレー射撃でオススメの弾も紹介します

散弾銃の弾の構造・仕組み・種類を銃砲店が解説!狩猟やクレー射撃でオススメの弾も紹介します

「散弾銃の弾って、違いがあるの?全部拡散するんじゃないの?」

実は、散弾銃の中でも一発しか飛ばない弾、ライフル弾のように回転して飛ぶ弾、粒が小さく当たりやすい弾など様々な種類の弾があります。

そこで今回は、銃砲店「シューティングサプライ」が、散弾銃の弾の構造や仕組みから、種類、人気の弾まで解説させていただきます。

散弾銃の弾選びで困っている人や、どの弾を買って猟を始めようか悩んでいる人のお役に立てればと思いますので、一つひとつ見ていきましょう。

散弾銃の弾(ショットシェル)の構造と仕組み

種類について紹介する前に、散弾銃の弾の基本である構造と仕組みについて学んでいきましょう。まずは動画でイメージを掴んでください。

聞き慣れない言葉がたくさん出てきたと思います。一つひとつ見ていきましょう。散弾銃の弾は大きく、5つの部位に分かれます。

  1. 雷管(プライマー)
  2. 無煙火薬(ガンパウダー)
  3. ワッズ
  4. 弾丸
  5. 薬莢(ケース)

それぞれ解説します。

雷管(プライマー)

雷管は言わば弾を発射する際のスタート地点です。雷管を叩くことで、火花が散り火薬に火が移ります。

雷管にもメーカーによって特徴があり、表面(管体の硬さ柔らかさ)、スパークの大小、あります。

無煙火薬(ガンパウダー)

散弾銃に使用される火薬は正方形の小さなシートのようなものが大量に敷き詰められていることが一般的です。

雷管から伝わった火花で火薬が燃え、ワッズというケースごと弾丸を打ち出すエネルギーに変わります。

火薬の種類は様々ですが、散弾銃用に用いられるものの多くは燃焼速度の速いものがほとんどです。

ワッズ

ワッズの中には小さな粒の散弾が入っています。(スラッグ、サボット弾を除く)

火薬の爆発力によりワッズは銃口から飛び出し、風圧によってワッズの先がめくれ、中にある弾丸が広がっていきます。

弾丸

弾丸

ワッズの中に入った弾丸は、銃口から出た後にワッズから解放され広がります。

「直接弾を出せば良いじゃん」と思われるかもしれませんが、弾丸は鉛でできているものがほとんどで、火薬の熱によって溶けて変形し、弾道が安定しなくなってしまいます。

弾丸が溶けることを防ぐため、ひいては弾道を安定させるためにワッズが使われているのです。

弾丸のサイズは「00B」「BB」というバックショット以外は、1号〜10号でサイズを表します。数字が大きくなるにつれ、散弾粒径が小さくなっていきます。

最後にケースそのものについて説明します。

薬莢やっきょう(ケース)

薬莢には幅と長さでバリエーションがあります。この薬莢選びを間違えると弾が入らない、最悪の場合暴発するなどの危険があるので注意しましょう。

薬莢の幅は「番径ばんけい」で表されます。日本では大きく「12番」「20番」「410番」が使用されており、多くの散弾銃が12番です。

一般的に使用されるのは「12番」の薬莢で、一部の銃で「20番」、クラシックな散弾銃で「410番」が使用されることが多いです。

そして最も大切なのが、長さ。薬莢の長さを間違えると、最悪銃身が破裂して怪我につながります。薬莢の長さも日本で使われるのは大きく3種類で「2 2/1インチ(65mm)」「2 3/4インチ(70mm)」「3インチ(75mm)」となっています。

この長さは、クリンプが開いた状態の長さ。クリンプとは、内側に織り込まれる折り返し部です。この長さが、薬室より長いものを使ってしまうと、異常暴発が起こり銃身が破裂する危険があります。

クリンプも2種類あり、スタークリンプ(主に粒状の散弾実包に使用される折り方)、ロールクリンプ(スラッグ等1発弾に用いられる折り方)があります。

スラッグにスタークリンプでも問題ありません。ですが、粒状実包にロールクリンプは内部の散弾がこぼれますので使用できません。

そのため一度銃を購入した銃砲店で、どの長さの薬莢を使えば良いか確認してから使用するようにしましょう。近くに銃砲店が無いなど確認が取れない場合は、薬莢の長さが短い分には暴発しないため、短めのものを使用することをオススメします。

弾の広がり方については、銃の絞り(チョーク)によって変わります。詳しくは以下の記事で解説しておりますので、あわせてご覧ください。

散弾銃の弾の種類

散弾銃の弾の種類は大きく分けて4種類あります。

  1. スラッグショット:単発の弾
  2. バックショット:大きめの散弾
  3. バードショット:小さめの散弾
  4. サボット弾:ハーフライフル専用の弾

それぞれ見ていきましょう。

スラッグショット(スラグ弾)

スラグ弾とも呼ばれる弾で、クマやイノシシといった大型の獲物に使われます。「散弾銃」と聞くと、弾が散らばるイメージがあると思いますが、スラッグショットはライフル弾のように一発だけ飛んでいきます。

最大到達距離は約700mと、散弾銃の弾の中でも遠くまで届く弾ですが、一発しか無い分散弾より当てるのは難しいです。

 

スラッグショットについて詳しくは以下の記事で解説しています。威力がわかる動画も紹介しているのでぜひご覧ください。

バックショット

バックショットはシカなどの中型動物を撃つ時に使用されます。散弾銃のイメージの通り、弾が広がり飛んで行く弾丸です。散弾の中でも大型の弾であり、威力が強いため取扱いには特に注意が必要です。

竹藪の中で跳弾するなどで、事故が起きたこともあり最近では使わない猟師の方も多い弾です。

バードショット

バードショットは、その名の通りカモやキジ、ハトなどの鳥類を撃つために使われています。バックショットよりも小粒であり、今回紹介する中では最も当たりやすい弾です。

鳥との距離、行く時期によって弾の粒径(号数)が変わることが特徴ですが、鳥猟では3号〜4号が使用されることが多いです。

クレー射撃にも使用されており、トラップ射撃には7.5号、スキートには9号が使われています。クレー射撃での弾については以下の記事で紹介しているため、気になる方はご覧ください。

サボット弾(ハーフライフル専用)

サボット弾はハーフライフル専用の弾で、サボットと呼ばれるプラ製の覆いの中に弾頭が入っている構造です。主にクマやイノシシ、シカに使う弾で、ライフリングにより回旋し安定性を生み、命中率が高くなることが特徴の弾になります。

ただし、弾が高いのが難点。1発850円~するものもあります。散弾が1発50~150円で買えることを考えるとかなり高級な弾ですね。

人気の散弾銃の弾

次に、人気の散弾銃の弾を見ていきましょう。知り合いの猟師さんや、クレー射撃をやっている仲間に聞きました。

猟:狙う獲物により異なる

狩猟では、弾のメーカーよりも弾の種類の方が大切です。ここでは各獲物ごとに人気の弾の種類を紹介します。

動物の種類 弾の種類
マガモ 3号、4号
カラス 3号
シカ スラグ弾
イノシシ スラグ弾
クマ スラグ弾

クレー射撃:RC 4 CHAMPION EXCELLENCE

クレー射撃:RC 4 CHAMPION EXCELLENCE
出典:RC 4 CHAMPION Excellence

こちらはロンドンオリンピックで5人のメダリストを輩出したRCの装弾。RC4チャンピオンは初速が速いことが特徴です。

射場ではRC2などを見かけることが多く、リーズナブルでありながら安定したパフォーマンスを発揮してくれる弾です。

ただし、弾と銃には相性があります。例えば、RCシリーズと相性の悪い銃を使うと、最悪不発ということも。購入前に一度お近くの銃砲店やクレー射撃の先輩に、弾と銃の相性を聞いてからの購入をおすすめします。

まとめ

今回は散弾銃の弾について解説させていただきました。最後にポイントを振り返りましょう。

  • 散弾銃の弾は「雷管」「無煙火薬」「ワッズ」「弾丸」「薬莢」からできている
  • 薬莢は散弾銃の薬室よりも長いものを使わない
  • 散弾銃の弾の種類には「スラッグショット」「バックショット」「バードショット」「サボット弾」がある

私たち「シューティングサプライ」では、クレー射撃に使える新品・中古銃を多く取り扱っております。銃の販売だけでなく、銃の所持方法からあなたにオススメの銃、弾との相性や注意点の説明、マニアックな道具の紹介までいたしますのでお気軽にご相談ください!

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狩猟のギモン、YouTubeでお答えします

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