皆様こんにちは!
シューティングサプライ わたなべです。
今回はライフル薬莢のお話 第3弾です!
最近、ちらほらと聞こえてくるお名前の6.5PRC・300PRCといった、
PRCシリーズについて、基本のキからどういったものなのかご説明いたします!
以前のお話は下記より♪
ライフルカートリッジ 300 Remington Ultra Magnum なんぞや?
主に日本にて既成実包で手に入るライフル実包のキホンのキは下記より!
PRCとは
PRC=(Precision Rifle Cartridge プレシジョンライフルカートリッジ)の頭文字を取ったお名前で、6.5も300も2018年にUSA ホーナディ社よりリリースされた薬莢となります。
6.5口径は最近大人気の6.5クリードモアを上回る、300口径は従来のマグナム実包300Winmagに取って代わる、と言うとわかりやすいかなと思います。
USAでは近年、このPRCシリーズが大人気を博しており、既成装弾や、PRCを発砲できるライフル銃、ハンドロードに使用する薬莢等の資材が品薄になっているようです。(2022、12現在)
それでは、6.5口径と300口径で少しキャラクターが異なりますので、分けてお話していきましょう。
6.5PRC
親ケースは300RCM(ルガーコンパクトマグナム)をベースとし、ネックを6.5mm径までネックダウンさせた薬莢となります。
実包長から、ショートアクションでの使用が可能となり、平均初速3200fpsを出す高速高性能カートリッジとなっております。
※6.5クリードモアは約2800fps
USAでの特徴として、ショートアクションを使用できるのと、銃身を比較的短いもので精度が確立できているようですので銃本体を軽く短くできるのが利点と言われています。
大きい獲物に対しては威力的に難がある、といった文献もありましたが、日本国内で捕獲できる獲物(主にシカ)に関しては何ら問題ない威力を保ってると考えます。
※アメリカでの大きい獲物=ヘラジカ等
6.5クリードモアよりも初速を稼げますので、ドロップに関して優位になり薬莢容量が大きい為、重い弾頭を使用しての横風対策も可能と言えます。
初速が出ている分、バレルライフがどうしても短めとなってしまいます。
数を撃ちたい場合はすぐ銃身交換を視野に入れないとなりません。
反動も6.5クリードモアから比べると大きくなりがちです。
リム径が.532”と、6.5クリードモアや308Win等よりも大きく、左記の実包使用銃からのPRC作成はボルトの交換や加工が必要となってきます。
※300WSMの銃をベースとしての作成ですと、銃身交換のみで大丈夫かと思います。
大人気実包、6.5クリードモアの欠点はパワーでしたが、それを補う形の装弾と言えUSAでは高い評価、人気を博しています。
精度的にも申し分なく、6.5PRCを使用するライフル銃が各社よりリリースされていますので銃の選択幅も広がります。
ただ、実包(2022,12現在日本国内には入荷していません)やハンドロード用の薬莢の品薄が続いており、銃はあるが撃つ弾がない、といった状況が生まれているようです。
6.5クリードモアと6.5PRCの双方並べた写真です。
300PRC
親ケースは375ルガーをベースとし、ホーナディ社より新開発された薬莢となります。
長らくマグナムカートリッジのポピュラー的存在の300Winmagに代わる薬莢とも言われ、全ての面において300Winmagを上回ったパフォーマンスを発揮しています。
当時、薬莢自体の強度を保つ目的に設けられたベルト(300Winmagや7mmRemmagの薬莢下に一部太くなったところ)は現在は逆に時代遅れ・薬莢の耐用回数低下の原因となってます。
最近の薬莢は全てと言って良いほどベルトレスになってますが、このベルト部位や、ネック長さ(弾頭を差し込み保持する幅)が少ない、等の弱点を上回り、300Winmagと同等の薬量を充填しても300Winmagを超える初速・精度を実現することができ世代交代の時代となったようです。
長所は上記の通り、300Winmagよりもわずかにコンパクトな薬莢ながら、薬量も抑えられパワー・精度も申し分ないところといえます。
実包長から、ロングアクションが必須となります。
と、USAでは200grオーバーの重量弾頭を使用する目的での開発・完成となったため、既成実包も重量のある弾頭ばかりとなります。
ロングレンジシューティングを前提に考えられて、ライフル銃自体も各社ラインナップはされていますが、ライフリングツイストが1/8あたりの仕様がほとんどです。理由は重量弾を使用する前提で考えられているからです。
日本国内での30口径マグナム弾の一般的な弾頭重量は150gr~180grがほとんどで、その重量帯の実包を1/8ツイスト銃身で撃っても精度が期待できません。
上記の重量帯でマッチングするツイストが1/10あたりですので、アンバランスが生じます。
日本国内で30口径で200grオーバーの弾頭の入手がなかなか困難なことから、足踏みされている方もいらっしゃると思います。
最初からカスタム前提でお考えの場合でしたら、1/10ツイスト仕様の300PRCライフルを作成すれば弾頭も困らないかと思います。
300PRCと300Winmagを並べた写真です。
2022,12現在、PRCを使用できる当社在庫銃
6.5PRCを撃てる銃は現在のところ在庫がありませんm(__)m
300PRCを撃てる銃も、メーカー既成品ですとツイストがきついものばかりで、日本国内で手に入りやすい弾頭重量ですと良い精度が期待できません。
新品で在庫していました資材でイチから作成したカスタムライフルが1挺のみ在庫あります。
サージェンライフルズの機関部、1581XLをベースに300PRCチャンバリングで作成した未使用ライフル銃です。
銃身がかなり太い為、かなり重たいです。
ストックカラーの変更や、銃身コンタの削り調整、マズルブレーキの新設など、別途費用となりますが好みに応じて調整できます。
日本国内の弾頭流通事情を考慮して、銃身ツイストは1/10のもので作成しています。
その他、詳しい諸元はリンク先の詳細ページをご確認ください。
スコープの搭載もご相談賜ります。
まとめ
2022,12現在、日本では銃や装弾・資材の入荷がほとんど無いに等しいですが、6.5クリードモアのように必ず流行すると感じています。
6.5PRCは6.5クリードモアを超える初速を持っており、ドロップや重たい弾頭を使用することによるエネルギー力アップが期待できる。
300PRCは長年マグナムのポピュラー的存在の300Winmagに代わるカートリッジ。
全てにおいて300Winmagの性能を上回る実力を備えている。
双方ともロングレンジハンティング・シューティングに適している。
6.5PRCも300PRCも共に近代実包、バレルライフはどうしても短め。
狩猟のギモン、YouTubeでお答えします
シューティングサプライでは、YouTubeチャンネルも運用しています。
「鹿を仕留める時のコツはある?」
「銃の値段が違うと何が違うの?」
「そもそも銃砲店の店内ってどんな感じなの?」
上記のような、実際のお客様から寄せられた質問に対し、動画でお答えしています。他のチャンネルには中々ない、現場のギモンも解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。
コメントを残す