クレー射撃には主に「トラップ射撃」と「スキート射撃」という2種類の競技があります。
「銃なんて触ったことも無いし、よくわからない。でも、クレー射撃には興味がある!」
そんな方に、クレー射撃の魅力を知って欲しいと思いこの記事を書きました。
この記事では「トラップ射撃」についてご紹介。ルールやオススメの銃、ちょっとした歴史も解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
トラップ射撃とは、銃を構えた後にクレーを飛ばし、撃破する競技
トラップ射撃はクレー射撃の一種で、手前から奥に、左右と真ん中3方向に飛び出す一枚のクレーに対し、1枚につき1~2発射撃するという競技です。
「クレー射撃の全体概要を知りたい!」という方は、以下の記事で解説しています。銃を持つために必要な手順についても説明しているので、ぜひご覧ください。
トラップ射撃のルール説明
トラップ射撃には大きく二つのルールがあり、一つは「オリンピックルール」、もう一つは「アメリカンルール」と呼ばれています。
まずは主流となっているオリンピックルールから説明していきましょう。
オリンピックルール
1番〜5番までを、一回の射撃毎に移動するルールです。
流れは以下の通り。
- 準備ができたら銃を構えてコールする
- コール直後クレーが発射され、クレー1枚につき2発まで射撃できる
- 弾を抜き右の射座へ移動する
- 1〜3を繰り返し、5周(合計25枚)のクレーに射撃すると終了
※射手が一人の場合以上の流れでできますが、二人以上の場合は弾を抜いた後、待機時間があります
発射されるクレーは右、左、真ん中とランダムですが、1つの射台につき左2枚、右2枚、真ん中1枚と決まっています。
アメリカンルール
流れはオリンピックルールの流れと同じですが、クレーの射撃装置が一台だけで、発射方向は完全ランダムとなっています。その名の通りアメリカで人気の競技ですが、日本ではオリンピックルールが主流です。
トラップ用の銃は、狙いやすいように作られている
トラップ銃の特徴(12番の銃) | |
銃身 | 通常30インチ |
銃口 | 下17.6㎜・上17.4㎜ |
照星 | 小さく丸い |
ストック | やや長い
(プル:38.5cm) |
パットプレート | ゴムの物が多い |
ベンド(頬をつける部分)の深さ | 浅い |
パーム(握り手の膨らみ) | 通常なし |
銃身が長いことが特徴で、通常30インチ(76.2cm)、上の方が絞りがきついことが特徴。これは、二発目が上から出ることが理由で、一発目より遠くなったクレーに当てる為に絞られています。
照星が小さく丸いことが特徴で、上下に動くクレーに対応できるように調整されています。ストックがやや長く、パットプレートがゴム製など狙った状態から始められるトラップ射撃の精度を上げられるように作成されている銃です。
※ストックの長さ(プル長)は射手の体格によって左右されます。スキート用よりは長めの設定ですが、きちんと体格に合った長さのものを使用することが上達への近道です。
トラップ射撃のコツについては、以下の記事で解説しています。クレーに当てる快感を得るためにぜひご覧ください!
トラップ射撃のコツを銃砲店が徹底解説!命中率UPのためのポイントをおさえよう!
オススメのトラップ銃
今回は初心者の方向けの記事ですので、使いやすくかつお値段のリーズナブルなものをピックアップしました。参考にしていただけると幸いです。
SKB CM880
日本の銃メーカーである「SKB」から発売された散弾銃。最初から競技用として発売された銃で、特にトラップ競技に特化した散弾銃になります。
銃の詳細はこちらから
ミロク2800 トラップ
こちらも日本の銃メーカー「ミロク」から発売された散弾銃。ミロクの銃は非常に頑丈なことで有名で、このトラップ銃に関してもまだまだ実用できる銃になっています。
信頼度の高い銃を探している方や、ひとまず使い続けられる頑丈な銃を探している方には特にオススメです。
銃の詳細はこちらから
トラップ用の弾は威力が強く、鉛玉の量が少ない
クレー射撃では散弾銃を使用し、この弾(ショットシェル)の中には鉛玉が入っています。トラップ用の弾とスキート用の弾では以下のように特徴が異なるんです。
※一般的な12番、24グラムの装弾のデータです。
鉛玉の大きさ | 鉛玉の量 | |
トラップ用の弾(7.5号) | 大きい(2.41㎜) | 少ない(294~306) |
スキート用の弾(9号) | 小さい(2㎜) | 多い(470~490) |
つまり、トラップ用の弾はスキート用と比べ一発の威力が強く、鉛玉の量が少ないということになります。
この時、薬室の長さよりも長いショットシェルを使わないことを徹底してください。ショットシェルは打ち終わった後に前部分(スタークリンプ)が開くのですが、開いた状態が薬室より長い物を使用してしまうと、異常高圧が起こり、最悪の場合銃身が破裂するので大変危険です。
ご自身の銃に適した弾の判断がつかない場合は、当店「シューティングサプライ」までお気軽にご相談ください。
コラム:トラップ射撃の歴史
トラップ射撃は、1750年頃のイギリスで始まったと言われています。当時はクレーでなく、生きた鳥を使用。罠のような箱に入れていたことから「トラップ」射撃と呼ばれるようになりました。
しかし、競技が続くにつれ鳥の数が不足し、的をガラス球に変更。
1870年頃には改良され、皿状の標的が考案されますが、焼き加減が難しく試行錯誤。そして1880年代に、”石灰にピッチを混ぜて焼き固める”という方法が考案され、現在のクレーに繋がる標的ができました。
ちなみに、クレーを射出する人のことを「プーラー(Puller)」と言いますが、鳥が入った罠のフタを開ける為に、ひもを「引く人」が居た名残なんです。
トラップ射撃の実際の様子を公開!
実際のトラップ射撃がどのようなものかイメージするため、シューティングサプライにて毎年射撃大会を行っている様子の動画もありますので、ぜひご覧ください。
まとめ
今回はトラップ射撃について解説させていただきました。今回の記事のポイントは以下の通り。
- トラップ射撃はクレー射撃の一種
- オリンピックルールが主流で、3方向にランダムに飛ぶクレーを2発の弾で撃ち落とす
- トラップ用の銃は「SKB CM880」、「ミロク2800 トラップ」がオススメ
- トラップ用の弾は一発の威力が強く、鉛玉の量は少ない
私たち「シューティングサプライ」では、クレー射撃に使える新品・中古銃を多く取り扱っております。銃の販売だけでなく、銃の所持方法からあなたにオススメの銃、弾の説明までいたしますのでお気軽にご相談ください!
今回紹介したのは「トラップ射撃」でしたが、クレー射撃にはもう一つ「スキート射撃」という種類もあります。スキート射撃については以下の記事で解説しているので、ぜひチェックしてみてください!
スキート射撃の狙い方を銃砲店が徹底解説!各射台のコツや練習方法を紹介します
狩猟のギモン、YouTubeでお答えします
シューティングサプライでは、YouTubeチャンネルも運用しています。
「鹿を仕留める時のコツはある?」
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上記のような、実際のお客様から寄せられた質問に対し、動画でお答えしています。他のチャンネルには中々ない、現場のギモンも解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。
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