皆様こんにちは!
シューティングサプライ わたなべです。
本日はライフル薬莢のお話第二弾、6.5CreedMoor(クリードモア)についてです。
基本のキから、どういったものなのかご説明いたします。
以前のお話、300RemingtonUltraMagnumとは は下記より!
ライフルカートリッジ 300 Remington Ultra Magnum なんぞや?
主に日本にて既成実包で手に入るライフル実包のキホンのキは下記より!
6.5CreedMoor
6.5CreedMoor(以降6.5CM)は2007年に米国・ホーナディ社にて開発された薬莢名称で、ベースは308Winを基準とされています30TC(トンプソンセンター)をベースに開発されたものです。
2008年より生産開始され、主に標的射撃を目的に開発・生産を進めてきたようですが、狩猟用としても十分なエネルギーを合わせ持つと高い評価を受け、瞬く間に広まった薬莢及び装弾といえます。
日本では「クリードモア」という表記で通じますが、米国では「クリィードムーア」と言った方が通じるようです。
弾頭直径を.264”(6.5mm)にしたことで、低伸性や弾道係数に優れ主にライフル射撃競技に非常に優秀な成績を収めています。
6.5mm直径や小さい薬莢容積ですが、一般的なマグナム実包、300ウィンチェスターマグナムに匹敵する初速と弾道軌道を持っていてかつ、リコイルが小さい。といったメリットがあります。
120gr~140grの重量の弾頭を約2800fps前後で飛ばします。
日本ではどうなの?
生産が2008年~と装弾の中では近代実包といえ、アメリカ国内では様々なメーカー・種類の既成装弾が販売されていますが、日本ではまだ既成装弾は存在なく、これからといったところでしょうか。
6.5CMを発射できるライフル銃も数が増えてきましたので、日本の装弾メーカーも輸入・販売となると思いますがもう少しお時間がかかると思いますので、今のところはハンドロードでの作成しか手がございません。
遠距離狩猟に用いられる方も増えてきていますし、命中精度の良さと反動の小ささでライフル射撃競技に用いられる選手も増えてきてるようです。
弾頭重量が一般的な30口径と比べますと軽量(当たり前ですが)ですので、狩猟の場合は半矢を心配する方もいらっしゃいます。
これは個人的な考えですが、6.5CMでも30口径を使用するライフル弾でも当り所が悪ければどちらも半矢になるのでは?と思いますので、ヘッド・ネックショットを常に、といった方は問題ないと考えます。
既成装弾がないのでハンドロードする場合は?
2022年7月現在、日本で使用する場合は現在のところハンドロードしか手はございませんが、ハンドロードの手順は一般的なライフル弾作成と何ら変わりません。
冒頭で「ベースは308Winを基準とされています30TC(トンプソンセンター)をベースに…」と表記しましたが、注意いただきたいのは、308Win薬莢を用いての6.5CMは不可能。ということです。
ライフル薬莢の世界で、308Winをネックダウン(首の部分をしぼめる)して7㎜-08や243Win、逆にネックアップ(首を大きくする)して338Federalや35Rem、に変化できますが、308Winと6.5CMはそもそもが違いますので不可です。
30TCという薬莢を用いればネックダウンで6.5CMになる可能性はございますが、実際に実験したことがないのと、そもそも日本に30TCという薬莢がほとんど存在しない為、不明とします。
6.5CMの薬莢も各メーカーで少しずつ日本に入ってきていますので、わざわざ違う薬莢を用いて冒険することはないでしょう。
弾頭は.264”径のものを使用しますが、重量も米国では幅広いラインナップがあり、国内では120~140grの間のものが輸入されてます。
120~140grの間での使用ですと、ライフリングツイスト1:8が適切でしょう。
鉛弾はさほど影響しませんが、銅弾の場合は初期高圧をなるべく下げる為に弾頭のシート量は鉛弾での値より深くすることが鉄則です。
当社でも新たにDGAの6.5㎜銅弾(DGA26)をラインナップしました。
少々値は張りますが、ひとつひとつ削り出しでの作成ですので、製造交差が少ないのが特徴です!!
DGA26は↓より♪
銃・中古銃の銃砲店シューティングサプライ(ShootingSupply) / DGA TRI BLADE 純銅弾頭 (s-supply.net)
※昨今の不安定情勢で弾頭及び薬莢の入荷が非常に不安定となってます。さらに円安や鉄の資材高騰の影響で物凄く値上がりしています。
当店のDGA弾頭も予告なく価格上昇する可能性がほぼ間違いございません。お早目の購入がお勧めです。
薬莢のメーカー・仕様にもよりますが、雷管はラージ又はスモールを使用し、火薬は日本で手に入る所で言う燃焼速度が中間の無煙火薬を使うのが一般的のようです。
(IMR4895・IMR4064・IMR4350・H4895・H4350 等々)
薬量も使用する火薬の燃焼速度や弾頭重量で変わりますが、おおよそ35gr~40gr付近が多いようです。
※実際に作成する場合は使用される弾頭重量と無煙火薬より、リローディングブックを参考として安全なところから開始してください。ハンドロードはいかなる場合でも自己責任となります。
無料で閲覧できるリローディングブックサイトです。↓
Hodgdon Landing | Hodgdon (hodgdonreloading.com)
どんな銃があるの?
ここでは6.5CMの設定がある当社扱いライフル銃をご紹介します。
在庫ある・ないはその時によって様々ですので、直接お問合わせください。
※クリステンセンは完全オーダーとなります。在庫はございません。
24インチ銃身のツイストは1:8となります。
銃身が簡単に脱着可能で、オプションの308Win銃身があればご自身で308Winにもできちゃいます。
22インチ銃身のツイストは1:8となります。
アメリカのアフターパーツメーカー「マグプル」とコラボした商品で非常に人気がございます。
軽量カーボンライフルのクリステンセンアームズも選択可能です。
お求めやすいリッジラインからロングレンジ使用のELR・TFM、最軽量のサミットTi全てで可能です。
銃身長が2インチずつオーダーできます。
お勧めは22~24インチの1:8ツイストです。
すでにご理解いただいている方もいるかとは思いますが、ボルト式ライフルに限りますが308Winや7㎜-08、243Win、等の銃を6.5CMに改造(銃身交換)も可能です。
銃身内部が磨滅してきて命中精度が悪くなってきた、銃を追加できない・したくない、等ですと銃身交換という手もひとつの方法です。
※都道府県によって適合実包の変更は記載変更届け出ではなく許可の取り直し、になる可能性もございますので気になる方はお住まいの所轄に確認お願いします。
さいごに
米国では大人気の6.5クリードモア、筆者も2018に米国のシューティングレンジで6.5クリードモアをブローニングのX-boltライフルで射撃しました。
マズルブレーキなしでも全く気にならない反動にビックリした記憶がございます。
あれから数年が経ち、ようやく日本にも6.5クリードモアが浸透してきたかな、と思います。
反動が少なく、308Winよりも弾道係数に優れている。となるとメリットしかないかなと感じます。
デメリットと言えば小口径・高弾速化しますので、絶対的に308Winよりも銃身の寿命が短い。といったところでしょうか。
まだ実包や資材の入手状況に不安が残りますが、近い将来日本でも主流の薬莢となることは間違いないと思います。
検討されている方、値上がり前の購入がお勧めです!!
ShootingSupply わたなべ
狩猟のギモン、YouTubeでお答えします
シューティングサプライでは、YouTubeチャンネルも運用しています。
「鹿を仕留める時のコツはある?」
「銃の値段が違うと何が違うの?」
「そもそも銃砲店の店内ってどんな感じなの?」
上記のような、実際のお客様から寄せられた質問に対し、動画でお答えしています。他のチャンネルには中々ない、現場のギモンも解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。
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