「ルガー銃」と聞いて、どんな銃が思い浮かびますか?
南部式拳銃やワルサーP38のような形を思い浮かべたアナタ、それ、別のルガーさんなんです。
今回はスターム・ルガー社の歴史と、同社の名銃について紹介していきます。
記事の最後では、アメリカのルガーとドイツのルガーに関するコラムも載せておりますので、ぜひご覧ください。
目次
スターム・ルガー社は二人の男によって設立された
ウィリアム・B・ルガー及び、アレクサンダー・M・スタームと共に1949年に設立した会社で、現在でも存続しています。
現在は創業者の息子であるウィリアム・ルガーJrに引き継がれました。
(彼もハーバード大学卒らしいので相当優秀です)
西洋式のリボルバーが有名ですが、拳銃、ライフル、ショットガンも製造しています。
最近では護身用の小型拳銃を販売することも多いようです。
ウィリアム・バターマン・ルガー
ルガーは1916年にアメリカで生まれた銃器設計者です。
彼は12歳の時に父親からライフルをもらい、銃への情熱を注ぎ込んでいくことなります。
彼は学生時代、空の部屋を機械工場に変えたと言われたほど銃に精通していたとのこと。
そのスキルを活かし、ルガー・コーポレーションを設立、事業は順調に展開しました。が、大工道具の設計にまで手を出した時に大失敗、廃業することとなりました。
元の銃器メーカーに戻ろうとしたルガー。
スターム家から5万ドル借りた彼はスターム・ルガー社を立ち上げます。
その際、スタームとは役割を分担しており、ルガーは銃の設計と製造を担当しました。
後述するスターム・ルガー・スタンダードの売上により、1年以内に5万ドルを返済。
スタームが亡くなった後も会社を牽引していきました。
ここで面白いのは、大手銃器メーカーの完成品に対抗するのではなく、銃に芸術的な魅力を感じるガンマニアをターゲットとしたこと。
その後スターム・ルガー社はリボルバーを発売し成功を収めていきます。
アレクサンダー・マコーミック・スターム
ルガーと共にスターム・ルガー社を設立した人物。
彼は芸術家であり、作家でした。
ルガーの項目で話した通り、役割分担がされており、スタームは出資の他に広告やデザインを担当。
会社のエンブレムはスタームがデザインしています。
また、後に人気となるリボルバーレッドホークもスタームのデザインによるものです。
創業後まもなく肺炎で亡くなっており、その後の経営はルガーが行いました
軍よりも、市民や警察に愛された銃器メーカー
スターム・ルガー社のモットーは「Arms Makers for Responsible Citizens(市民の為の銃器メーカー)」
実際、軍隊に配備されたスターム・ルガー製の銃は多くなく、主に射撃や狩猟用など民間において人気を博した銃が多いです。
販売対象は民間であることが多いスターム・ルガー社ですが、警察にも拳銃やサブマシンガンが配備された経歴もあります。
元々、アメリカの警察も日本と同じようにリボルバー式の拳銃を使用していました。
しかし、1990年代半ばに拳銃やその他の武器が一般人に出回っていることに直面した警察は、リボルバー式の拳銃からスターム・ルガーの9mm拳銃に変更。
(現在ではグロックが主流)
1995年には、アメリカ警察にスターム・ルガー MP9が配備されました。
代表的なルガー銃
ここではスターム・ルガー製の銃の中でも、人気の高い銃を紹介していきます。
スターム・ルガーM77
ボルトアクションライフルで、数々のバリエーションが販売されました。
現行ではホークアイと呼ばれるモデルが最も有名です。
スポーツや狩猟用としてよく使われるライフルの一つで、人気の高い銃です。
ミニ14
セミオートマチックライフルの一つで、5.56mmが使用できるモデルMini-14と、7.62mmが使用できるモデルMini-30があります。
見た目が猟銃っぽく、威圧感が少ないという理由で警察に採用されたこともあるとか。
映画「ラスト・ターゲット」にて、主人公のジャックが使用したことでも有名です。
スターム・ルガー・スタンダード
スターム・ルガー社の始まりの銃。
mk1〜mk4まで出ています。
これはリボルバーではなく、オートマチック拳銃です。
当時はコルト社が主な銃器メーカーで、拳銃は約50ドル。
しかし、このスターム・ルガー・スタンダードはなんと37.50ドルで販売、しかも品質を落とすことはありませんでした。
余談ですが、ゲーム「ペルソナ3」の主人公が使う召喚器は、スターム・ルガーMK3がモデルになっているそうです。
ブラックホーク
スターム・ルガーの銃と言えば、まず真っ先に名前が挙がるほど同社を代表したリボルバー。
シングルアクションの銃であり、当時流行していたコルトSAAよりも安全性が高いことで人気を博しました。
後にスーパーブラックホークという強化版が出ており、こちらは44マグナム弾を使用できるとのこと。
「ルパン三世」の第2シリーズにて峰不二子が使用するなど、アニメや漫画でも登場することが多い銃です。
レッドホーク
ダブルアクションのリボルバー。
こちらは海外の狩猟用として大きな人気を得たとか。
ブラックホーク同様スーパーレッドホークというモデルが発売され、こちらは454カスール弾を撃てるようになリマした。
ちなみに、シングルアクションとダブルアクションの違いは、「ハンマーが起きていない状態で引き金を引いた時、弾が出るかどうか」。
ダブルアクションは「ハンマーを起こす」、「ハンマーを解放する」という2つのアクションを行うことからダブルアクションと呼ばれています。
MP9
1995年に軍・警察などの公的機関用に開発されたサブマシンガンです。
見た目がウージーに似ているのですが、設計者がウジール・ガルであり、ウージーの開発者
と同じ人だからなんです。
ストックはL字かつ折り畳み可能で、かなりコンパクトになることが特徴的。
弾は9*19mmパラベラム弾を使用します。
まとめ
今回はスターム・ルガー社の歴史と、ルガー銃についてお話ししました。
まとめは以下の通り。
- 二人のアメリカ人によって設立され、今でも続いている
- 軍よりも市民や警察に愛されているメーカー
- 現在でも狩猟用として使われているルガー銃もある
北海道は旭川市にある銃砲店シューティングサプライは、スターム・ルガー社が開発した銃のラインナップも取り揃えております。人気銃のため、すぐに在庫がなくなってしまうことがありますので、予めご了承ください。気になった銃を見つけた場合は、できるだけお早めにお問い合わせください。
コラム:アメリカのルガーとドイツのルガー
ゲオルグ・ルガー
ルガーと聞くと、ワルサーP38や南部式拳銃によく似た拳銃を思い浮かべる方もいると思います。(筆者もその一人)
これは、「ルガーP08」という拳銃があまりにも有名だからです。
ルガーP08はナチス・ドイツで主に使用された銃であり、パラベラムピストルの代表となる銃です。
名前は「ゲオルグ・ルガー」が作ったことに由来するのですが、このドイツのルガーと、アメリカのスターム・ルガーは全くの無関係である点に注意が必要です。
ちなみに、ドイツのゲオルグ・ルガーは9mmパラベラム弾の開発をした人としても有名。
パラベラムバレットは何が違う?
9mmルガー弾や9mmNATO弾、9mmパラベラム弾などと呼ばれたりしますが、基本的には全部9×19mmであり全て同じものです。
(NATO弾は、NATO加盟国の中で同じサイズの弾薬使おうねって規格)
ただし、9×18mmマカロフ弾や9×17mmクルツなどは全長が異なり別物である点にご注意を。
狩猟のギモン、YouTubeでお答えします
シューティングサプライでは、YouTubeチャンネルも運用しています。
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