レミントン・アームズ・カンパニーLLCは、アメリカの銃器・弾薬メーカーで、1816年にエリファール・レミントン(E. レミントン&サンズとして)によりニューヨーク州イリオンに設立され、今でもオリジナル製品を作っている米国で最も古い銃器メーカーの一つです。
2018年には破綻してしまいましたが、レミントンといえば西部劇・第一次/第二次世界大戦を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。各時代によって、レミントンに対するイメージや思入れも違うようです。グアテマラの国旗と国章には、なんとレミントンライフルを描いているのだとか。今回は、世界中で大人気のそんなレミントンの歴史について詳しく解説していきたいと思います。
レミントン・アームズ社の歴史
レミントン・アームズの誕生(19世紀)
レミントン社は1816年に設立されました。エリファール・レミントン2世(1793-1861)は、「買うよりも自分で作ったほうがいいものがつくれる」という考えがあったようで、自分用にフリントロックライフルの設計と製造を開始。
23歳(1816年末)の時には、自作のライフルで射撃試合に出場したといいます。成績は2位に終わったものの、レミントン2世の銃は他の出場者たちの関心を集めました。その日の時点で、早速注文が殺到。これを機に、彼は正式に銃製造業を始めることになりました。1828年には、イリオン近郊に移転。この場所は、現在もレミントン銃器工場として使用されています。
1888年3月7日、E.レミントン&サンズの所有権はレミントン家から新しいオーナー、マーセラス・ハートリー&パートナーズに売却されました。その時に、社名は正式にレミントン・アームズ・カンパニーに変更されました。
レミントン・アームズの躍進(20世紀)
レミントン700をベースにしたスナイパーライフル「M24 SWS」が登場。1912年には、レミントン社とユニオンメタルカートリッジ社が統合され、レミントンUMCと呼ばれるようになりました。
第一次世界大戦の初期には、レミントン社はいくつかの連合国と契約して武器生産を行っていました。フランス向けにはM1907-15ベルティエライフル、イギリス向けにはパターン1914エンフィールドライフル、ロシア帝国向けにはモデル1891モシン・ナガンライフルを製造。戦争が激化するにつれ、レミントンの生産は需要に応じて増加していきました。
アメリカが参戦すると、レミントンは戦争に深く関わるようになり、イギリスのパターン1914を簡略化したアメリカのM1917エンフィールドライフルを開発・生産し、ペダーセン装置も開発しました。1918年から1919年にかけて、レミントンは戦力のためにおよそ21,000丁のM1911を生産していましたが、しだいに膨大な銃と弾薬の在庫を抱え、支払いの目処が立たなくなったそうです。その時には、アメリカ政府がその銃器を購入しました。
世界恐慌の最中、レミントンは火薬の改良で名を馳せたデュポンに買収され、その1年後、レミントンはピーターズ・カートリッジ・カンパニーを買収しました。いまでもレミントンの薬莢のヘッドスタンプの多くには、レミントン-ピーターズを表す「R-P」が付いています。
1940年、米軍は弾薬の容量に不安を覚え、レミントンに全国展開のための計画への協力を要請しました。レミントンはデュポンの協力を得て、レイクシティ陸軍弾薬工場(当初の名称はレイクシティ工廠)とデンバー弾薬工場を建設し、その後ローウェル弾薬工場など3工場を増設した。これらの工場はアメリカ政府のものであったが、レミントンはその運営を任されることになりました。第二次世界大戦中にレミントンが製造した武器には、有名なM1903A3スプリングフィールド・ボルトアクション・ライフルも含まれています。
1962年、レミントンはモデル700ボルトアクション・ライフルを発表。このライフルはレミントンの最もヒットした銃の1つとなり、すぐにレミントン700BDL・警察や法執行機関向けのレミントン700PSS・1988年から2010年の間アメリカ軍の標準狙撃銃だった軍のM24 SWSなどの多くの亜種の開発に繋がっていきました。
まとめ
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