「散弾銃ってどんな銃のことを言うのですか?」「そもそもどんな仕組みなのですか?」といった質問が、よく寄せられます。
基本的に散弾銃とは、小さな粒(散弾)を発射するように作られている銃のことを指すのですが、しかし弾が散らばらない弾丸もあるんです。それがちょっとややこしいところですね。
そこで今回は、あらためて「散弾銃とは何か」について詳しく解説していこうと思います。
散弾銃とは
散弾銃は、本来、名前の通り散弾(バラバラの粒弾)の発射に適した銃を指します。
バラバラの粒弾を発射しますので、散弾銃は移動中の標的をねらうための銃となります。照準器(照星と中間照星)を使いながら狙いを定めるので視界は開放的で見やすいつくりになっています。
場面としては狩猟の他にも、空中の素焼きの皿を撃ち抜く「クレー射撃」によく使われているんですよ。
一般的に800〜900粒が入った散弾実包を発射しますが、一発弾(スラッグ弾)を発射するボルトアクション式のライフル銃のようなタイプのものもあります。
画像の銃はこちら
散弾銃の仕組みは?
ここでは、狩猟で多く使用される「スライド(ポンプ)ショットガン)」を例に解説します。
※伝わりやすいよう一部名称を簡略化しています
特に気になる「撃発」と「排莢」について見ていきましょう。
引き金を引いてから弾が出るまでの仕組み
- 引き金を引く
- 引き金と逆鈎の噛み合いが外れる
- 撃鉄が起き、撃針を叩く
- 撃針が弾の雷管を叩き発射される
排莢の仕組み
- エキストラクター(爪)が使用済み薬莢の縁を掴む
- フォアエンドを後方に引くと、ボルトと共に薬莢が下がる
- 一定以上引くとエジェクターが使用済み薬莢を弾く
- 使用済み薬莢が排出される
散弾銃の弾
実包:クレー射撃用
粒の大きさにもよりますが、大体800〜900粒の小さな弾丸が発射され、概ね50m以内で最大の威力を発揮します。クレー射撃などでよく使われています。
一般的にイメージされる「散弾」なのではないでしょうか。
スラッグ弾:固定標的を狙う、狩猟用
散弾銃ですが、画像のような一発の弾を発射するタイプもあります。威力が大きく飛距離も300m〜1kmと長いので、紙の的や遠くの獲物を狙う狩猟などによく用いられています。
遠くの的を狙うので、ライフル銃と同じようにボルトアクション式を採用していたり、光学スコープを装着していたりします。
種類の中には銃身内に半分まで腔せん(ライフリングとも呼びます)が入った銃も散弾銃のカテゴリーに属します。
ちなみにライフリングが半分まで入った銃のことを「ライフル銃及び散弾銃以外の猟銃」ともいいます。
散弾銃は何に使う?活用例を紹介
散弾銃は主に「狩猟」と「クレー射撃」で使用されます。それぞれ見ていきましょう。
狩猟
狩猟では「散弾銃」「空気銃」「ライフル銃」の3種類の銃が使用できます。ライフル銃は散弾銃の使用歴が一定期間以上必要なため、多くのハンターは散弾銃で狩りをすることが多いです。
こちらは上下二連に加えて、セミオートの散弾銃を使用する方もいます。
クレー射撃
飛んで行くお皿(のようなもの)を撃ち落とすクレー射撃でも、散弾銃は使用されます。特に上下2連のものが多く使われ、日本メーカーである「ミロク」や海外メーカーの「ベレッタ」などが人気を博しています。
散弾銃を撃つときの注意点
散弾・スラッグ弾問わず、実包をうつときには、注意が必要です。というのも、一つの薬莢にはいっている数百の粒はひとつひとつ質量が小さく、軽いんですね。距離は飛ばず、すぐに弾速が落ちてゆらゆらと落ちていくイメージです。
このパラパラと落ちる粒が周辺住民や民家に当たってしまった場合、法令違反となります。たとえ怪我などの危害がなくてもです。こうなると、銃の免許等も全て取り上げられてしまうので、注意が必要です。
スラッグ弾も仰角によっては数キロ飛んでいくこともございます。
獲物の確認も重要ですが、獲物の後ろ側や周辺の安全確認が重要となります。
矢先には十分気をつけて、周りの人にも気を配りながら行ってくださいね。
まとめ
この記事では、散弾銃や弾の種類、注意点について解説しました。
この記事のポイント
- 散弾銃は散弾を発射するように作られている銃のこと
- クレー射撃用と狩猟用の2種類の弾が主流
- 発射後に威力がなくなった弾でも当たると法令違反
- 取り扱いや発射の際は周辺の状況に気をつける
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