皆様こんにちは!
シューティングサプライ 渡辺です。
今回は散弾銃の要件で所持できる「ハーフライフリング付き散弾銃」以下ハーフライフルとします。
に関する、よくある質問をまとめてみました。
最初に所持しようとしている散弾銃で、ハーフライフルを考えているがイマイチよくわからない。ネットで情報が回ってるが、どれが正しいの?今更恥ずかしくて聞けない、といった方いらっしゃると思います。
今回はQ&A方式にしてみました!
ですが、なかには的確な回答でないものもあります。
というのは、弾の威力や獲物を倒せるか、といった質問は当たり所や距離によって大きく左右されます。
的確な回答ができない場合のQ&Aは、アドバイス方式にしてます。
ご参考にしていただけてら幸いです。
さ、いってみましょう!
ハーフライフルに関するQ&A
Q1・「ハーフライフル」ってなに?
A・ライフル銃のように、銃身内に腔せん(螺旋状の溝)がついた散弾銃を指します。
銃刀法で、散弾銃の腔せんは銃身長の1/2以下とする。という決まりがあり、銃身内の半分は腔せんがありもう半分は腔せんがない状態を通称でハーフライフルと呼んでます。
Q1.5・購入したいハーフライフル銃が品切れor気に入らない。現存するライフル銃のライフリングを半分にすれば、ハーフライフルとして所持できる?
上記のようにライフリングを半分にすればOKな感じもしちゃいますが、元々ライフル銃の為、適合実包は「ライフル実包」となります。
「ライフル実包」の発射機能を有している銃は、ライフリングの有無に関わらずライフル銃とみなす。といった内訳もございますので、現存ライフル銃を改造してのハーフライフルは所持不可。となります。
Q2・半分ライフリングが入ってることでどんな利点があるの?
A・専用で使う「サボットスラッグ」を用いて発射することで、サボットに回転がかかりジャイロ効果でサボット内の弾頭が安定して飛びます。
サッカーの無回転シュートはゴールキーパー手前で不規則な球の動きしますよね?
野球のナックルはバッター手前で不規則な球の動きしますよね?
回転の与えられてない弾頭はサッカーの無回転シュート、野球のナックルと同じになります。これでは遠い距離を狙っても不安定ですので、回転をかけることにより安定した弾道となり命中精度・捕獲距離が期待できます。
Q3・では、欠点はあるの?
残念ながら必要であるライフリングが邪魔をしてしまうことなんです。
欠点はサボットスラッグしか上手に発射できないところです。
基本的には番径さえ合っていればどんな弾(通常のスラッグ弾や射撃・猟用のバラ散弾)も撃てます。
内部のライフリングがあることでスラッグ弾頭の鉛汚れがこびり付き掃除がかなり大変(バラ散弾も同様)、バラ散弾が回転させられて均一なパターンにならない(ドーナツ状にパターンが広がると言われています)といった弊害がでます。
ハーフライフルは「サボットスラッグ」専用銃、とお考えください。
Q4・さっきから出てきてる「サボットスラッグ」は通常のスラッグとどう違うの?
単弾、というところでは同じなのですが、弾頭に被せ物をしているかしていないかの違いです。
サボットスラッグは弾頭に「サボット」と呼ばれるカプセル状のプラスチックが覆われています。
発射し銃身内を通過中は「サボット」がライフリングに食い込み中の弾頭ごと回転が与えられます。
銃口を離れた瞬間、サボットが脱落し中の弾頭のみが狙ったものへ飛んでゆきます。
通常のスラッグ弾は「サボット」が被ってませんので、弾頭が直接銃身内を通過して発射され狙ったものへ飛んでゆきます。
ライフル射撃場にて、十文字のプラスチック片が落ちてませんか?それがサボットです。
Q5・よくある番径が12番と20番だけど、どちらも撃てるものはあるの?
どの銃も適合する番径の弾しか発射できません。
20番の銃に12番の弾、は小さい薬室に大きな弾。で入らないのが理解できますが、12番の銃に20番の弾、はスカスカですが入ってしまいます。
薬室に合わない装弾で発射すると、異常爆発を起こし銃本体の故障や重大な怪我に繋がる恐れがございますので、絶対にお止めください。
Q6・ハーフライフルにも型式が色々あって、どれを選択したら良いの?
※アドバイスです。
A・ボルト式・単身自動式・単身スライド式がメインですが、命中精度を重視するのでしたら迷わす「ボルト式」をお勧めします。
予算上、複数挺所持できないや、1挺で可能な限り色々やりたい、でしたら単身自動式・単身スライド式をお勧めします。
Q7・上の型式ごとの利点・欠点はあるの?
※アドバイスです。
A・
ボルト式
利点→機関部と銃身がねじ込んで結合している為、命中精度が出やすい。
欠点→下記の銃のように「替え銃身」といった手段が非常に取りにくい。
単身自動・スライド式
利点→銃身が簡単に取り外しできるので、銃身を付け替えることによって色んな転用が可能。
欠点→機関部と銃身の結合が不安定なので、ボルト式に比べ精度に欠ける。銃身によってはスコープの搭載が難しい・ひと手間かかることがある。
Q8・ボルト式・自動式・スライド式以外にハーフライフルはないの?
A・昔は上下二連の下銃身がハーフライフルになっているものや、アンダーレバー式のハーフライフル銃も存在してました。
今はほぼないと思われます。ごくたまに中古で入ってくるかもしれませんが、絶対的は流通量が少ないので期待はできません。
Q9・12番と20番、どちらが良いの?
アドバイスです。
A・明確な答えはできませんが、兎にも角にも威力を重視といった方は12番をお勧めします。
反動を抑えたいといった方は20番をお勧めします。
12番も20番もシカでしたら十分倒せるエネルギーがあります。クマの場合は12番の方が安心ですが、20番でクマを獲っている方もいらっしゃいます。
周りで持たれている方にお話を聞き、同じ番径を所持すれば情報の共有ができますね。
Q10・ハーフライフルにお勧めのサボットスラッグを教えてください。
A・所持したハーフライフルとどの装弾が相性が良いか、様々です。
一概にこのメーカー!という答えは難しく、まずは色んなメーカーの弾を少量買って射撃場で撃ち比べ、相性の良い装弾を見つけることが重要です。
Q11・弾で、「3インチ」と「2 3/4インチ」というのがあるが、なにが違うの?
A・パッと見の違いは装弾の長さが違います。
内部に入っている火薬の量が違います。単純に火薬が多い方が「3インチ」となり長い装弾になります。
火薬が多い分、弾のスピードが速くなりドロップが少ない傾向です。半面反動が大きくなります。
「2 3/4インチ」は逆になります。
銃によっては「3インチ」が撃てないのも存在します。装弾を購入の際は十分にご注意ください。
※撃てる撃てないはほとんどが銃身に刻印されており、それも見れば一目瞭然ですが不安な方はそこの刻印の写真を撮って銃砲店に相談するとよいでしょう。
Q12・では、「3インチ」と「2 3/4インチ」どちらが良いの?
アドバイスです。
A・Q9と同様で、弾のスピードが出てドロップが少ない方が良い。といった方は3インチを、反動を抑えたいといった方は2 3/4インチをお勧めしますが、これも銃との相性が関わってきます。撃ち比べて選択するのが良いでしょう。
Q13・ライフル銃の弾のようにハンドロード(手詰め)したいが、どうなんだろう?
A・北海道外で狩猟や有害駆除で鉛を使用できる場所ですと、価値があると思います。
サボットスラッグ弾のハンドロードはライフル弾と違って使用する機材や弾の構成部品が全く違います。
弾頭も鉛を鋳造するところからのスタートとなりますし、サボットやワッズ等の専用部材も必要です。
あいにく当社ではサボットスラッグの手詰めに関するノウハウや部品の販売はしてませんが、興味があればチャレンジすることも可能です。
北海道ですと、射撃以外は非鉛が必須ですので弾頭素材はスズを使うようですが、実際に作った弾を撃ってる方は数少ないです。
銅のサボット用弾頭が手に入れば違うんでしょうが、高価なのと使用(本来はマズルローダー用のサボット弾頭を流用すると思います)できるかが不明ですのでおのずと既成装弾ばかりとなってます。
Q14・12番20番以外に410番という装弾もあるが、410番のハーフライフルってあるの?
A・ないです。
過去に存在してたようですが、今は新規所持許可が下りないところがほぼ100%です。
仮に銃があったとして、許可が下りたとしても、410番のサボットスラッグが存在しないので撃つのに困りますね。
※平滑銃身の410番ですと所持許可になるところがほとんどですので、こちらの銃で通常のスラッグを使用されている方もいらっしゃるようです。
よって、流通や威力面でも12番や20番に優位性があります。
Q15・ところで、アメリカでは「ハーフライフル」といった言葉がでてこないが、なぜ?
A・日本独自の言葉、モノなのです。
製品のほとんどがアメリカ製(一部日本製やヨーロッパ製もございます)ですが、本国では「フルライフルドスラッグガン」という名称となってます。
日本で言う、ライフル銃のように銃口までライフリングが存在してます。
この銃を輸入し、日本の散弾銃要件に適合させるべく半分ライフリングを削り落とした状態にした日本オリジナル商品・日本特有の名前。といったことになります。
他国に行って「ハーフライフル」とお話ししても、what is that?(なにそれ?)となるでしょう(笑)
Q16・じゃあ、ライフルの国「アメリカ」なのにどうしてスラッグガンやサボットスラッグがあるの?
A・州によって狩猟期間中に使用できる銃が限られている、制限されているからです。
日本の場合は狩猟期になればライフル銃・散弾銃・空気銃を使用できる獲物に向かって発砲できます。
アメリカでは州によっては狩猟期間に入ってすぐはライフル銃での狩猟は禁止。といったところもあり、そういった制約がある場所で狩猟を行う場合にスラッグガンやサボットスラッグが用いられます。
といったかたちで、Q&A方式にしてみました。
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